協働ロボットは、安全柵なしで人と作業空間を共有することができるため、昨今、製造業での導入が進んでいる。
しかし、既存の協働ロボットは、あらかじめプログラムされた動作を繰り返すことを得意とし、多品種少量生産などのさまざまな環境に応じた自律的な動作が求められる作業の自動化は難しいため、利用シーンが限られていた。
こうした中、京セラ株式会社は、AIと3Dビジョンで協働ロボットを知能化するクラウドサービス「京セラロボティックサービス」を、2023年11月6日から提供を開始することを発表した。
「京セラロボティックサービス」は、周囲の状況やワークの位置、形状の認識、アームを動かす際の動作計画において、必要とされる協働ロボットの自律性を獲得するための知能化を、AIと3Dビジョンで実現したサービスだ。
自律性を継続的に保つため、クラウドに常時接続し、協働ロボットの状態や動作のモニタリング、運用上の課題把握や早期の対処・改善を実施する。例えば、AIの物体認識品質が低下した場合でも、再学習することで認識品質を維持することができる。

また、AIを活用し、ワーク検出・平面判定・表裏判定・向き判定を行い、ワークをつかみ、表裏を分け、向きをそろえて置きかえる。
さらに、多品種少量生産における、トレーtoトレー整列配膳も実施することができる。
「トレーtoトレー整列配膳」とは、ワークをトレーからトレーへ移しかえる作業のことで、正確にワークをつかみ取り、移動させることが求められる。
「京セラロボティックサービス」は、例えば、複数の矩形(くけい)ワークを扱う現場において、追加のワーク登録が不要で、それぞれのワークの中心を高精度にピックし、プレース側のさまざまなトレーの仕切りを認識し、整列配膳する。

AIモデルやロボットの作業指示内容は、ワークを京セラへ送ることで、京セラのエンジニアがを作成する。また、最初に登録したワークの類似ワークであれば、追加のワーク登録不要で作業継続できるため、段取りがえの手間を軽減する。

なお、料金形態はサブスクリプション形式で提供され、利用状況に応じた料金プランが提案される。
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