公益財団法人 介護労働安定センターの報告書によると、介護施設内における最も多い事故は転倒・転落・滑落によるもので、全体の65.6%を占めている。
また、一般社団法人 日本病院会の報告書では、日本の医療機関において平均で毎日1000人に2.76人の患者が転倒事故に遭っているというデータも発表されている。
こうした中、株式会社シーエーシー(以下、CAC)は、画像認識AIを活用して、介護施設と医療機関における転倒・転落と、離床の予防と再発防止を支援する見守りシステム「まもあい」を開発し、2023年12月18日からMVP(実用最小限の製品)版の提供を開始する。
「まもあい」は、CAC開発の姿勢推定AIにより、介護施設や医療機関における転倒・転落と離床の予防と再発防止を支援するサービスだ。
カメラと姿勢推定AIを用いて、ベッド周辺の見守り対象者の姿勢をモニタリングする。転倒・転落に繋がる可能性のある異常姿勢を検知すると、ステーションサーバから職員にアラートを送信する。
異常検知された際の画像は、アラートと一緒に職員のモバイル端末に送られる。職員は、画像から遠隔で見守り対象者が転倒する可能性を確認し、駆け付ける必要性を判断することができる。

また、複数の転倒が発生しそうな場合には、画像で各見守り対象者の状況を確認して、緊急性の高い見守り対象者のもとに駆け付けるなど、対応の優先順位の判断にも役立てることが可能だ。
転倒前後の挙動は、エビデンスとして自動的に録画して、動画保存される。インシデント報告書作成の際、エビデンス動画から発生原因を把握でき、これをもとに対策を打つことができる。
また、エビデンス動画を用いて、転倒リスクアセスメントの見直しとスタッフの育成にも活用することが可能だ。
CACでは今後、異常検知したデータと履歴を用いて、施設や医療機関におけるインシデント記録、報告、対策検討に必要と考えられる項目に対して、サマリーやレポートの自動作成機能を追加していく予定だ。
また、ベッド周辺だけでなく、居室や病室全体を見守りでき、さらに在室と不在室も検知できる機能を追加するなど、サービスの充実化も進めていくとしている。
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