NTTコミュニケーションズ(以下、NTT Com)は、「Active Multi-access SIM」の商用提供を2024年1月31日から開始する。
「Active Multi-access SIM」は、2023年3月28日からトライアル提供を行っていた、IoT端末でキャリア冗長することができるサービスだ。
「Active Multi-access SIM」を用いると、IoT端末側で通信の監視や切り替え機能を実装することなく、1枚のSIMで自律的に接続先回線が切り替わる。これにより、幅広いIoT端末で回線の故障に備えたキャリア冗長化が可能になる。
近年、IoTソリューションを活用した事業展開を行う企業が増えたことから、信頼性の高いネットワーク構築のために複数のキャリアを利用した冗長化が求められている。このような要望に応える形で、NTT ComはIoT端末の機種に依存しない冗長化をより簡易に実現できる「Active Multi-access SIM」を開発し、トライアル提供を行ってきた。その結果、ユーザからの意見を反映し、機能改善と商用サービスとしての提供準備を行ったのだという。
「Active Multi-access SIM」の主な特徴は、故障を自動で判断しキャリア切り替えを行う機能や、幅広いIoT端末での利用可能性などだ。なお、故障を自動で判断し、キャリア切り替えを行う機能は、特許出願中である。
具体的には、回線が故障した際に、故障の検知、メインキャリアからサブキャリアへの切り替え、一定時間後の切り戻しを自動的に行うアプレットをSIM内に搭載している。そのため、手動操作や複雑な設定は不要だ。

さらに、ETSI/3GPPで標準化された仕組みを採用しているため、これらに準拠した幅広いIoT端末で利用可能となっている。
メインキャリアは、データ使用量に応じて多様なプランが用意されており、容量シェアにも対応。回線の開通、一時停止、再開、解約などの状態を管理するSIMライフサイクル管理にも対応しており、開通前・利用休止時のコストの低減を図ることも可能だ。
SIMは1枚から発注でき、発注・開通・休止・廃止などの回線管理をWebで行うことができる。
なお、「Active Multi-access SIM」は、データ利活用に有効な「Smart Data Platform」のサービス群の1つである「IoT Connect Mobile Type S」の1プランとして提供される。
また、IoT端末とSIMを組み合わせたサービスを複数のエンドユーザに提供したいIoT事業者向けに、エンドユーザとの契約の管理、ポータルにおけるユーザ権限の管理などを実施できる機能も提供している。
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