SOMPOひまわり生命保険株式会社、新潟大学大学院医歯学総合研究科血液・内分泌・代謝内科学研究室の北澤勝特任准教授、曽根博仁教授らの研究グループ、シンクヘルス株式会社は、産学共同研究を行い、持続血糖測定を活用した新しい2型糖尿病予防のためのスマートフォンアプリを含むプログラムを開発した。
今回開発されたスマートフォンアプリを含むプログラムは、血糖値と生活習慣の関係を記録し、それに基づく個別化フィードバックメッセージ機能、ならびに糖尿病専門医監修による糖尿病予防のための教育コンテンツを提供するものだ。

そして、この2型糖尿病予防のためのスマートフォンアプリのプログラムの有効性を調べるために、3か月間のランダム化比較試験を行った。
この臨床試験には、糖尿病予備群で体重が多めの179名が参加し、半数の方にのみこの新しい2型糖尿病予防・教育アプリを3か月間使用してもらった。そして、使用しなかった残り半数の方と、血糖値、体重、食事摂取量、身体活動量などの改善度を比較した。
その結果、アプリを使用した群では、使用しなかった群と比較して、体重が0.93kg減少し、正常な血糖範囲に入っている時間が1日あたり33分増加したほか、炭水化物摂取量も1日あたり18g減少した。3者は、これらはいずれも統計学的に有意だったとしている。
また、HbA1cがやや高めの人では治療効果が高い傾向にあったほか、アプリを使った群では、現行ガイドラインで糖尿病予防に有効とされる2kg以上の体重減少を達成した人が、使用しなかった群と比較して約2倍増加した。
今回の共同研究で、持続血糖測定と教育コンテンツを組み込んだ新しい2型糖尿病予防のためのスマートフォンアプリを含むプログラムを活用した保健指導が、食生活、体重、血糖値を改善させることが明らかになった。
ただし、このアプリの使用が実際に2型糖尿病の発症を予防できることを確認するには、より多くの人を対象にしたより長期の研究が必要だ。また、どのような人に特に有効性が高いかなどについても検証が必要だとしている。
3者は、引き続きプログラムの改良と実際の予防効果確認のための臨床研究を行っていく予定だ。
なお、この研究成果は2024年3月15日に、国際専門誌「Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism(JCEM)」誌に掲載された。
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