株式会社PFUは、光学技術・画像認識技術を応用し、自社で開発した独自アルゴリズムを用いて廃棄物の分別を自動化する「廃棄物分別特化AIエンジン」シリーズを、2024年4月10日より提供を開始した。
そして、シリーズの第1弾として、ビンの色選別を自動化するAIエンジン「Raptor VISION BOTTLE」の提供を開始する。
「Raptor VISION BOTTLE」は、「複合照明技術」「特徴融合認識技術」「禁忌品認識技術」の3つを組み合わせることで、ビンのラベルや汚れがあってもビンの色ごとの分別を実現することができるAIエンジンだ。

ベルトコンベア上を流れてくるビンをカメラで撮影することで、「茶色ビン」「透明ビン」「その他ビン」「PETボトル」を識別した上でピッキング位置を特定し、ロボット側に通知することで分別する。なお、禁忌品と言われる選別除外対象のビン(化粧ビン、内容物が入ったもの等)にも対応している。
また、AIモデル再学習機能も搭載している。これは、認識する物体の種類も経時的に変化することから、認識精度を維持するために、現場のデータを継続的に収集・学習してモデルをアップデートする仕組みをサービスとして提供しているものだ。
AIモデル再学習機能を活用することで、ビンの色や形が多様化しても、画像データを定期的にクラウドサーバにアップロードし、収集した画像データを用いて再学習した認識モデルデータにアップデートすることで、認識精度の維持・向上が可能だ。

ダッシュボードでは、従来デジタル化されていなかったビンの色ごとの処理数や処理率などを、「時間」「日」「月」「年単位」で表示することで、進捗状況や過去の実績を把握することができる。

これにより、ビンの色識別の自動化が可能となり、廃棄物を処理する中間処理施設における省人化を支援する。
今後は、モデル再学習に、必要なアノテーション作業を半自動化(対象データを自動マッピングが可能)して提供する計画だ。

また、適応領域を、リチウムイオン電池の発火を事前に検知できる仕組みや、金属、建廃、衣服などの産業廃棄物まで拡げていくとしている。
なお、「Raptor VISION BOTTLE」は、共創パートナーである工作機械メーカーの高松機械工業株式会社の「資源ごみAI自動選別機~AI・B-sort~」で既に採用されており、同商品は、青森市の資源ごみ処理を行っている株式会社青南商事に導入され、ビン選別工程の自動化を行っているとのことだ。
また、2024年5月22日から5月24日まで東京ビッグサイトで開催される「2024NEW環境展」にて展示される予定だ。
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