サイレックス・テクノロジー株式会社は、新Wi-Fi規格であるIEEE 802.11ah(Wi-Fi HaLowヘイロー)対応シリーズに、耐熱・耐寒性に優れ、機能を強化した「温度拡張版 802.11ah対応アクセスポイント/ワイヤレスブリッジ」の2新製品を追加すると発表した。販売開始は2024年8月8日を予定している。
IEEE 802.11ahは、既存のWi-Fi規格を基に開発された新規格だ。従来の2.4GHzや5GHz帯を使うWi-Fiに比べ、より広範囲な通信が可能であることが特徴だ。免許不要で半径1kmの長距離データ通信と映像伝送が可能で、既存のWi-Fiと高い互換性を持つ。
これらの特性から、「Wi-Fiと920MHz通信のいいとこ取り」とも評され、屋内外の産業用IoTや社会インフラでの利用が期待されている。これまでの検証事例には、ソーラーや蓄電池と組み合わせた災害現場の監視、河川水位の測定データの伝送、農業・水産分野の監視デジタル化、工場内のセンサ情報やPLC情報の収集、機器のリモートメンテナンスなどがある。
今回発表された新製品「温度拡張版 802.11ah対応アクセスポイント/ワイヤレスブリッジ」は、-20~60℃の温度帯に対応し、温度変化や経年劣化に強い温度補償水晶発振器(TCXO)が採用されている。さらに、IP65相当の防水ケース、防水アンテナがオプションで用意され、組立ガイドも同梱されているため、組立ててすぐに屋外利用が可能だ。

また、新製品は事前調査をサポートするサーベイ機能を持ち、設置前に周辺ノイズやチャネル利用状況を可視化することで、無線機器の適切な設置場所や利用チャネルを選択できる。
さらに、NATやIPアドレスフィルタの機能を搭載しており、無駄なトラフィックで無線帯域を枯渇させない設計となっているほか、送信時間制限(Duty比10%制限)による通信停止を防ぐため、環境に応じた最適な通信量をコントロールする機能も備えている。

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