2025年4月1日、物資の流通効率化に関する法律である「新物流2法」(以下、物流効率化法)や、改正貨物自動車運送事業法が施行される予定だ。
物流効率化法に関する具体化を推進する3省合同会議での「合同取りまとめ」では、荷主等が講じるべき措置として「トラックドライバーの荷役時間等を短縮すること」が規定されており、その取り組み例(荷主の判断基準)の1つとして、「事前出荷情報の活用」が掲げられている。
こうした中、ウイングアーク1st株式会社、株式会社アスア、株式会社traevoは、物流効率化法で求められる荷待ち、荷役作業時間の把握と短縮、事前出荷情報の提供、積載効率の向上・CO2排出量の削減義務および努力義務をトータルで支援する仕組みを構築するため、2月13日より連携を開始すると発表した。
ウイングアーク1stは、電子帳票プラットフォーム「invoiceAgent」を提供している。これは、既存の紙伝票を出力する仕組みを、基幹システムを変更することなく、伝票発行をデジタル化できるサービスだ。
これにより、取引先である着荷主に対し、納品伝票情報を、PDFおよびデジタルデータとして事前に提供することが可能になる。
さらに、デジタル化した納品伝票データは、物流情報標準ガイドラインに準拠しており、異なる伝票電子化サービス間においても、納品伝票データの授受や活用が可能だ。

物流効率化法の省令案では、検査(検品)の効率化を図るために「取引先に対して貨物に係る情報を事前に通知すること」とされており、伝票を電子化することで早期の対応が可能となる。
一方traevoは、車両動態管理プラットフォーム「traevo Platform」を提供しており、既設のネットワーク型デジタコ等から取得した「車両の動態情報」「荷待ち」「荷役作業」などの業務記録を、自社車両やパートナーの車両を含めて集約し、一元管理する。また、権限を付与することで、元請、荷主等に情報共有が可能だ。
さらに同社は、蓄積された運行データや他の運行実績データを活用し、共同輸送マッチングの実証実験を行政と連携して実施している。
そしてアスアは、「積載量の改善によるCO2排出量の削減プロジェクト」や、一般社団法人運輸デジタルビジネス協議会(以下、TDBC)のワーキンググループ活動での「CO2排出量の精緻化を通じた物流改善とその先にあるカーボンニュートラルの実現」などの実証実験を推進している。
今回の対応支援モデルでは、ウイングアークの「invoiceAgent」により電子化された納品伝票の荷役作業効率化のための事前出荷情報と、traevoの「traevo Platform」の移動距離データを連携させ、「積載効率、CO2排出量の自動的計算の仕組み」をアスアが提供する予定だ。
また、物流における精緻なCO2排出量は、自社事業の活動に関連する他社の排出量Scope3情報として、ウイングアークのCO2排出量可視化プラットフォーム「EcoNiPass(エコニパス)」と連携することで、全社でのCO2排出量把握が可能となる予定だ。
加えて、TDBCとアスア監修のもと、「EcoNiPass」が1製品あたりの輸送におけるCO2排出量の算定機能を、2025年夏頃に提供予定とのことだ。
この機能により、既にリリースしている製造における実データからのCFP算定に加え、輸送における実データからのCFP算定が可能となる。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。