ソニー株式会社は、高い測距性能と、屋外晴天下で10m以上の測距レンジを持つ、小型・軽量なLiDARデプスセンサー「AS-DT1」の商品化を発表した。
「AS-DT1」は、測距方式としてdToF方式を採用しており、照射したレーザ光が対象物に反射して戻ってくるまでの時間を直接計測することで距離を算出するLiDARデプスセンサーだ。これにより、原理的に高い精度と、複数の対象物の微小な距離の違いを認識する距離分解能を実現する。
また、高感度なSPAD(Single Photon Avalanche Diode)センサーを組み込んだ独自のdToF測距モジュールを開発・採用している。
このSPADセンサーは、入射したわずかな光を大きな電気信号に増幅できる素子であり、高感度な測距を可能にする。
これにより、10mの距離で屋内外ともに±5cmという測距精度を達成したという。
さらに、dToF方式の利点として、他の方式では検知が難しい低コントラストの対象物や、反射率の低い黒色の対象物など、多様な材質・色のオブジェクトに対しても安定した測距が可能である点が挙げられる。

これにより、人や什器などが混在する複雑な店舗・倉庫環境や、屋外環境での利用においても、信頼性の高い3次元空間認識の実現が期待できる。
測距レンジも広く、屋内環境では40m、真夏の晴天下(10万ルクス想定)の屋外でも20mという長距離測距能力だ。これにより、橋梁や高速道路、ダムといった、人が近づきづらい対象物の測距にも活用できる。
本体寸法は幅29mm×高さ29mm×奥行31mmで、質量は50g。素材には軽量かつ堅牢なアルミニウム合金を採用している。
対象物までの距離を屋内外問わず正確に測定でき、小型軽量かつ金属製の筐体を実現しているため、搭載スペースやペイロードに制約のある小型ロボットやドローンへの組み込みを容易にする。

なお、「AS-DT1」の発売は2026年春を予定しており、2025年4月23日より東京ビッグサイトで開催される「Japan DX Week」のソニーブースにて実機が展示される予定だ。
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