株式会社電通総研は、デジタル証明書の国際標準技術仕様であるOID4VC(OpenID for Verifiable Credentials)に準拠したVC(Verifiable Credentials)ソリューションの開発に着手し、その実現に向けた共創型PoCを2025年4月14日より開始したことを発表した。
VCは、信頼できる第三者機関によって正当性が保証されたデジタル証明書だ。個人が自身の属性情報を管理・コントロールし、検証者に対して必要な情報のみを選択的に開示できる(選択的開示)という特徴を持ち、プライバシー保護と利便性の両立を可能にする技術として注目されている。
電通総研は、これまでもインターネット上で流通する情報やデータの信頼性を担保する「Trusted Web」の実現に向けた技術研究を推進してきた。
そして今回、デジタル庁の「令和4年度補正Trusted Web の実現に向けたユースケース実証事業」で採択された実証実験などを通じて培った知見やノウハウを活かし、VCソリューション開発を進めており、2025年秋頃の提供開始を予定している。
このソリューションは、VCの発行・検証機能を提供するWeb APIと、ユーザがVCを安全に管理するための「デジタルIDウォレット」アプリケーションで構成される。
企業や自治体、学校などの発行者は、Web APIを通じて個人(所有者)にVCを発行。所有者は発行されたVCをデジタルIDウォレットで管理し、サービス利用時などに、検証者(サービス事業者など)に対してVP(Verifiable Presentation)およびVCを提示する。
検証者は、Web APIを用いてVP/VCのデジタル署名を検証し、証明書の信頼性を即座に確認できる仕組みだ。
なお、同ソリューションは、グローバルな相互運用性を重視し、OID4VCや欧州デジタルID規則などの国際標準規格へ準拠している。を特長としている。
データフォーマットは、VCのデータ形式として、ISO/IEC 18013-5/23220に基づくモバイル運転免許証(mDL)規格で採用されている「mdoc」と、OID4VCIで広く採用され、選択的開示に優れた「SD-JWT VC」に対応する。これにより、用途に応じた柔軟な情報開示制御を可能にするとのことだ。
今回開始されるPoCでは、様々な業種のパートナー企業と連携し、実際の業務環境に近い条件でテストを実施する。
今後は、VC発行・管理・検証システムの有効性や課題を検証し、製品提供の開始を目指すとしている。
また、VCの普及を推進し、国内外の企業や自治体、教育機関などとの連携を通じて、VCの利用シーンの拡大を図る計画だ
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。