シーメンスは、産業向け生成AIアシスタント「Siemens Industrial Copilot」の機能を拡張し、新たに生成AIを活用したメンテナンスソリューションを統合したことを発表した。
今回、「Siemens Industrial Copilot」の機能拡張の核となるのは、Microsoft Azureの「Senseye Predictive Maintenance」の機能強化だ。
生成AIをメンテナンスサイクル全体に導入することで、問題が起きてから対応する従来のリアクティブなメンテナンスから、データ駆動型のアプローチへの移行を支援する。
具体的には、メンテナンス領域において「Entry Package」と「Scale Package」という二つの主要な機能が提供される。
「Entry Package」は、AIを活用した修理ガイダンスと基本的な予測機能を組み合わせることで、予知保全の導入を支援する。
センサデータの収集とリアルタイム状態監視のための限定的な接続性を提供することで、リアルタイムな状態監視を可能にし、リアクティブなメンテナンスから状態基準保全への移行を支援する。
さらに、AIによるトラブルシューティング機能により、ダウンタイムの削減とメンテナンス効率の向上が期待され、本格的な予測メンテナンスへのステップとなる基盤を構築する。
一方、「Scale Package」は、包括的なメンテナンス戦略の変革を目指す企業に向けて設計されており、「Senseye Predictive Maintenance」と完全な「Maintenance Copilot」機能を統合している。
これにより、故障を事前に予測することで設備の稼働時間を最大限に延ばし、AI主導の知見を活用してコストを削減することが可能になるという。
なお、「Siemens Industrial Copilot」を活用して、エンジニアリングチームが自然言語を使ってプログラマブルロジックコントローラ(PLC)のコードを生成できるようにすることで、SCLコードの生成を推定60%高速化したのだという。
また、初期パイロットユースケースでは、メンテナンス用「Industrial Copilot」が平均で25%のリアクティブメンテナンス時間を削減する効果が示されたとのことだ。
シーメンス デジタルインダストリーズのカスタマーサービス担当CEOであるMargherita Adragna氏は、「予知保全ソリューションを拡張することで、産業界がリアクティブなメンテナンス戦略からプロアクティブなメンテナンス戦略へとシームレスに移行し、ますます複雑化する産業環境において効率とレジリエンスを推進できるようにする」と述べている。
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