神奈川県では、豚の飼養戸数が減少傾向にある一方で、一戸あたりの飼養頭数は1,000頭以上に増加しており、効率的な豚の飼育が課題となっている。
豚の飼育において豚舎環境の把握は重要であり、2019年度よりNTT東日本は神奈川県養豚協会、神奈川県畜産技術センターとの連携により、既存設備へ導入が容易なIoTを活用したシステムを構築し、「飼養環境の見える化」(温湿度データや豚の衛生環境等監視)の実現を推進してきた。
そして本日、有限会社臼井農産と東日本電信電話株式会社神奈川事業部(以下、NTT東日本)は、IoTを活用した効率的かつ省力的に豚を飼育するための飼養環境監視システムの実現、および適正なCO2濃度の維持方法確立に向けた実証実験に取り組むことを発表した。
この実証実験では、臼井農産が管理する豚舎を利用して、温湿度管理に加え、CO2濃度センサーを用い、適切なCO2濃度の維持・管理方法の検証を実施する。
この検証において、NWカメラでの遠隔監視により、豚舎立入回数の削減、温湿度による豚の生育状況の変化(暑熱対策の必要性)について確認されている。
CO2濃度は豚の疾患や生育にも影響が出ると考えられており、快適なCO2濃度を維持することで豚を健康に飼養し、安全な品質および生産効率向上の実現を目指すとしている。
実証実験について
実験の概要
LPWAを活用したeセンシング(圃場ごとのモバイル回線および電源・電池が不要なセンサーネットワークとオンラインストレージサービスを活用したソリューション)による豚舎内CO2濃度データの収集し、豚舎ごとに異なるCO2濃度に調整し、豚の成育状況を調査しながら、快適なCO2濃度を維持・管理する方法を検証する。
実施期間
協定締結日から2021年9月30日まで (予定)
実施場所
有限会社臼井農産・環境制御型豚舎(神奈川県厚木市飯山3575)
各社の役割
有限会社臼井農産
・実験フィールドの提供
・IoT機器による環境データの収集、飼育データの収集
・適切なCO2濃度の維持・管理する方法を検証
NTT東日本
・IoT機器の設置・管理および実用性・耐久性の調査
今後の予定
臼井農産は、集積した知見およびデータを活用し、高品質な豚肉の提供を目指す。
NTT東日本は、神奈川県内における養豚業へのIoTサービス導入サポート・新たな仕組みづくりの検討の実施を行う。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。