原材料資源やエネルギー等の価格高騰が続き、様々な業種における値上げラッシュが報じられている。こうした事情を背景として、生産活動を行う敷地に不正侵入し窃盗を謀る事件が多発している。例えば、太陽光発電所の多くは山林や過疎地の土地で運営されることから発電設備に使用される高額資材(送電線(銅線)や太陽光パネルなど)の盗難被害が後を絶たない。
圃場では、収穫前の作物盗難のみならずトラクター等の特殊車両が盗難に遭う事件が発生し、自治体によっては盗難防止費用に対して補助金を出してでも予防する施策が打ち出されている。
こうした被害に遭わない為には巡回パトロールも必要だが、真夜中でも警告・監視ができるシステムを用いて24時間監視することも有効となる。
エヌエスティ・グローバリスト株式会社は、太陽光発電所や農水畜産物の生産・育成地で盗難被害が相次いでいる対策として、定点カメラによる画像とセンサーを併用したモニタリング監視で盗難防止に貢献する「敷地内の盗難被害防止サービス」の提供を開始した。
同システムは、センサーとカメラを併用して、センサーで敷地・フェンスへの不法侵入者を検知、設置された定点カメラで現場を瞬間的に撮影・記録するものである。
具体的には、侵入口となり得るフェンスや圃場・設備周辺に運用に適したセンサーを取り付ける。センサーにはフェンスよじ登りやハウス引き裂き、施設内への侵入が検出できるものがある。検出したタイミングで警告灯の点灯と警告音を鳴らすことができ、侵入抑止や防犯効果が向上する。
現場のセンサーによる監視と同時に、定点カメラで撮影した監視対象物の画像を取り込むことができる。異常検出時はメールを介して画像付きでアラートを通知する。カメラは異常発生時のみならず、普段からスマホ専用アプリを介していつどこでもリアルタイムで現場の画像を確認できる。
各センサーとカメラの記録データは、定期的に撮影・保存し続けることで遠隔地から時間経過による変化を目視確認できる。こうすることで防犯以外にも除草や除雪、清掃作業といった維持管理にも役立つ。
また、見通し距離で10kmを通信可能とし、かつ中継局を最大12台まで設置可能とした12段ホップで広範囲のエリアを網羅することが可能だ。圃場や太陽光発電所のように広大な敷地でかつ、監視対象物が広範囲に点在した場合でも手軽に無線ネットワークが構築できる。
さらに、同システムでは無線出力20mWの標準タイプに加え、電波が届きにくいエリアでは出力を250mWに向上した高出力タイプの2種類が用意されている。LoRa無線はセンサーデータ向けのため送信データ長が短く大容量のデータには不向きとされているが、高圧縮技術と100byte分割送信で静止画像転送を実現するという。
なお、センサーとカメラには電源装置が必要となる。商用電源の引き込みが難しい立地や電気の契約がコスト高となる環境においては、太陽光パネルと蓄電池がセットになっている装置「SpreadRouter-SOLAR」を利用することで、独立した電源での稼働で設置時の大きな工事も削減することができる。
同システムは、センサーと画像による測定・監視を提供するスタンダードプランに加え、センサーのみで検出して監視を行うライトプラン、カメラだけを利用したCAMプランも提供する。現場で求められる要件に合わせて選択できる。
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