農業分野では従来、作物の生育状況を推定するために光学衛星を用いた観測が行われてきた。
しかし、光学衛星は曇天時の観測ができないため、収穫適期等の解析に必要な時期のデータが取得できないなど、実用上の課題があった。
そこで、株式会社スペースシフトは、アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社と連携し、アマゾン ウェブ サービス(以下、AWS)上で作物の生育状況を正確に把握する技術「AI 搭載精密農業ソリューション」を開発することを発表した。
「AI 搭載精密農業ソリューション」の開発では、光学衛星でデータが取得しづらい時期をSAR衛星のデータで補うことで、より継続的な観測を可能にする。
また、生育状況を把握するためにAIを活用し、SAR衛星データから作物の作付け状況や生育状況を把握することができるようになる。
さらに、スペースシフトでは現在、SAR衛星を利用して農作物の生育状況の情報を配信するサービスを開発中だ。
得られた情報は、農業分野だけでなく、農産物の流通やマーケティング・広告業界など、さまざまな業界で活用できるよう開発を進めていくとしている。
スペースシフトはAWSの技術により、衛星や地上でのデータ収集とモデル開発のサイクルを効率的に継続させ、AIの精度を向上させるとしている。
また、AWS IoT Greengrassを利用して、複数のエッジセンサから地上データを収集・処理し、エッジからAWSにセキュアで低遅延(低レイテンシー)なデータ送信を行うとともに、Amazon SageMakerでAI/MLのためのデータ処理を行う予定だ。
さらに、AWSのフルマネージドクラウド基盤を活用し、作物の生育状況に関する分析結果を、従来よりも迅速に提供していくとしている。
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