株式会社セラクは、過去の市場流通量や気象情報などのデータを元に、AIを用いた青果の出荷量を予測するシステムを開発し、キャベツ・玉ねぎ・きゅうり・トマトにおける主要産地の、出荷量予測情報の提供を開始した。
また、その情報を活用したキャベツの圃場単位での出荷時期・出荷量の予測システムを構築した。
キャベツ・玉ねぎ・きゅうり・トマトは流通量が多く、流通量や価格の変動幅が大きい。そこで、1ヶ月先までの出荷量を予測して提供する。予測情報は、各品目の主要10産地(都道府県単位)の出荷総量の予測値で、1週間単位で提示される。絶対誤差率は約20%だ。
この産地出荷量予測は、農研機構が運営する農業データ連携基盤「WAGRI」のAPIとして提供されており、各種サービスやアプリケーションに組み込んで利用することが可能。同社は、みどりクラウド「営農支援」アプリに組み込み、情報の提供を行っている。
なお、農林水産省「国際競争力強化技術開発プロジェクト」の取り組みの中で、地方青果市場を運営するR&Cながの青果がこの予測サービスを導入し、営業担当者の出荷予測業務に要する時間を最大18%短縮したほか、担当者による価格の予測精度が向上。加えて、利益率を高める効果が確認されたという。
圃場単位での出荷量予測では、産地出荷量予測にて得られる産地全体の収穫量の傾向を元に、キャベツの圃場単位での出荷量、出荷時期を予測することができる。
キャベツは、定植された株数以上の数を収穫することはできないことから、出荷可能となる時期の株数と重量を掛け合わせて予測を行う。
また、ドローンによる植生指数を測定し、その結果を加えることで、より正確な予測が可能となっている。平均絶対誤差率13.1%、出荷可能日の誤差は8日間だ。
出荷可能株数・作物重量それぞれを予測するモデルは、WAGRI APIを通じて、各種サービスやアプリケーションに組み込んで利用することが可能。同社は、「みどりノート」に組み込み、生産者や実需者向けに予測情報の提供を行っている。
なお、今回のシステムは、株式会社セラク・株式会社ウェザーニューズ・株式会社R&Cホールディングス・ドローン・ジャパン株式会社で構成される、データ駆動青果流通支援コンソーシアムが、農林水産省「国際競争力強化技術開発プロジェクト」の支援を受けて研究開発に取り組み、実現したものだ。
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