フィリピンは、外航貨物船の船員を約20万人輩出する船員供給国だ。通常、これら外航貨物船の船員は、数か月から半年以上にわたって乗船したのちに下船し、一定期間休暇を取って、また乗船するサイクルを繰り返す。
フィリピン人船員は、下船期間に船員としての給与収入がなくなるため、副業を持つケースがある。また、フィリピンでは稲作を中心とした農業が盛だが、依然として機械化が停滞している地域が多く残っている。
こうした中、株式会社クボタのフィリピン国内の販売子会社Kubota Philippines, Inc.(以下、KPI)と、日本郵船グループで船員向け金融プラットフォーム事業を展開するMarCoPay Inc.(以下、マルコペイ)が、2023年10月に業務提携し、10月27日、フィリピン人船員の農業機械(以下、農機)購入サポートを開始した。
この購入サポートでは、船員向けモバイルアプリ「MarCoPay」(トップ画)上で、クボタの農機ラインアップやディーラーの紹介、様々な購入特典の付与やビジネスモデル提案セミナーなどのサービスを提供する。

具体的には、船員が乗船中でも使用状況を遠隔確認できるGPS搭載のトラクタやコンバインをはじめとする製品ラインアップや取り扱いディーラーを、「MarCoPay」アプリ上で紹介する。なお、農機の購入は最寄りのディーラーとの契約になる。
また、「MarCoPay」アプリで購入を検討し、クボタの農機を購入した船員に、GPS通信料の特別割引などの特典を提供する。
さらに、購入したGPS搭載農機を、船員自身や家族が使用するだけでなく、近隣農家に有償で貸し出して収入を得るなどのビジネスモデルをセミナーなどを通じて提案する。

今後は、フィリピン人船員とその家族へのアンケートや個別インタビューなどを通じて、船員のニーズを把握し、サービス内容の拡充や改善に取り組んでいくとしている。
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