北海道十勝地方は、平均46ヘクタールの広大な農地を保有した生産地であり、効率化へ向けトラクターや農業機械に後付けできる自動操舵ガイダンスやGNSSの使用が進んでいる。
また、十勝地方では輪作が主流であり、作付けした作物や作業の履歴を正確に記録することが不可欠だ。しかし、高齢化や人手不足といった課題も存在するため、最小限の手間で記録できる営農支援システムが求められているのだという。
こうした中、株式会社クボタは、十勝農業協同組合連合会(以下、十勝農協連)をはじめとする社外パートナーと連携し、クボタと十勝農協連の営農支援システム間のデータ連携とその活用による利便性向上を目指す2年間の実証実験を始めた。
この実証実験では、自動操舵ガイダンスを搭載した農業機械の走行履歴の位置情報の取り込みやデータ活用方法の検討、両システムの連携によるデータ入力作業の軽減効果の検証を行う。
2023年度には、十勝地方の農業生産者の協力を得て、自動操舵ガイダンスに蓄積した農業機械の走行履歴の取り込みや、そのデータを活用した作業日誌作成に関する技術的な検証と導入効果測定を実施した。その結果、日誌作成サービスの提供に向けたシステム開発を開始した。
2024年度には、農業生産者がより精密なほ場・作業履歴管理を行う際に必要な、作業速度や高低差等のデータをマップ上に反映するサービス提供に向けたシステム開発を検討する。
また、クボタの営農支援システム「KSAS」を経由して、十勝地域組合員総合支援システム「TAF」上に取り込んだ走行履歴の位置情報を活用することで、地域単位での情報共有の強化・円滑化の可能性を検証するとのことだ。

なおこの実証実験は、2023年6月から2025年3月までの期間で、北海道十勝地方で実施される。
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