コンタクトセンターにおける応対品質の維持向上には、客からのお問い合わせや、オペレーターの応対内容などの膨大な音声データの利活用が欠かせない。一方で、応対内容の聞き直し(モニタリング)や分析・利活用における稼働などが運営上の課題となっている。
NTTコミュニケーションズ株式会社(以下、NTT Com)は、コンタクトセンターを運営する企業向けに、AIで利用客との通話内容をテキスト化するサービス「COTOHA Voice Insight」の提供を開始した。
同サービスは、蓄積された音声データを、企業専有型のクラウドサーバー上へ閉域網経由でアップロードすることにより、テキストデータへの一括変換をセキュアに実現することができる。変換したデータは、活用しやすいcsv形式でのダウンロードが可能である。
音声データを自動でテキストデータに変換することにより、目視によるモニタリングや分析が可能になり業務を効率化できるほか、検索や共有、CRMシステムや分析ツールと連携したデータの利活用も可能になるため、オペレーター間でのノウハウ共有やスキルアップなどによる生産性向上、およびコンタクトセンターにおける顧客体験の向上などのさまざまな目的に活用できる。
また、日本語の発話内容(音声データ)を認識しテキストデータ化する「COTOHA API」の音声認識を活用している。同APIはNTTグループのAI関連技術corevoの研究成果を活用しており、人間の声を深層学習によって分析し、雑音に強い独自の音響モデルと雑音から人間が話した部分のみ検出する技術(発話区間検出技術)が用いられているほか、コンタクトセンター向けのチューニングを実施しているため、業務でよく使われる単語を正確に認識できるという。
さらに、商品名やサービス名などの単語を管理画面から簡単にユーザー辞書へ登録することができ、最大5000語まで登録することができる。
そして、機密性の高い情報を含む通話データをセキュアに扱うため、企業ごとに専有型のクラウドサーバーが提供される。クラウドサーバーへの接続はインターネットではなく企業向けの閉域網接続のみで行い、ネットワークのセキュリティも確保するという。また、クラウドサーバー上のファイルを一定期間で自動削除する機能も備わっている。
同サービスの利用料金は、初期費用が10万円(税抜)、月額利用料が25万円(税抜)からである。なお、テキスト化したデータの活用イメージを体感するためのお試し機能として、可視化ツールを無償で提供するという。
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