AIによる推論は演算量が非常に多く、現在はクラウドなどの豊富なコンピューティングリソースを必要とする。しかし、自動運転などでは、クラウド経由による応答の遅延や通信環境の不安定さは大きな障害となり、エッジからクラウドへ全データを送信するには大きな通信帯域を必要とし、コストが高くなる要因となる。そのため、自動車、スマートフォン、ドローンなどの末端機器であるエッジ側のデバイスでAIを動かす技術が求められている。
このような中、KDDI株式会社は、5G時代を見据え、有望なベンチャー企業への出資を目的とした「KDDI Open Innovation Fund 3号」を通じて、AIやディープラーニング、特にエッジAIの技術を持つ株式会社アラヤに出資した。
アラヤは、AIをエッジデバイスに搭載可能なAIの圧縮・演算量削減に関する独自の技術を保有している。また、この独自技術を活かしたAIの自動圧縮ツールの開発も進めており、これらの技術開発を進めて、エッジAIの実現に貢献している。
さらに、将来的にAIが人間に近づく世界を実現するために必要となる「デバイスの自律エージェント化」の技術開発を実施しており、ドローンによるインフラ自動点検やシステムのデバッグ自動化、電力・空調の最適制御などへの活用が期待される。
KDDIとアラヤはKDDI ∞ Laboの取り組みで協業するなかで、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構のAIエッジ制御の研究開発テーマを共同で受託し、5G時代に向けたAIエッジコンピューティング技術開発、及びドローンの自律制御への適用を進めている。
5G時代のエッジコンピューティング対応機器市場は今後さらなる拡大が見込まれる中、KDDIは同出資を通じて、アラヤの事業成長を支援し、アラヤとともに5G時代を見据えた新しい技術開発・事業共創を行うとした。
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