2019年11月7日、ソースネクストはAI通訳機「POCKETALK」シリーズの新製品「POCKETALK S」の発表会見を開いた。
会見では2018年9月に発売した「POCKETALK W」の概況や、「POCKETALK S」搭載の新機能などについて説明があった。
「POCKETALK」シリーズの概況
まずは2018年9月に発売した「POCKETALK W」に概況について、ソースネクスト代表取締役社長・松田憲幸氏(トップ画像中央)より説明があった。
ソースネクスト・松田氏によれば「「POCKETALK W」はもともと「言葉の壁をなくす」というミッションを立てて開発されたものである」とのことで、「「POCKETALK W」を発売してから14か月が経つが、今では日本だけで発売したものが海外にも広がっている」と述べた。
ちなみに「POCKETALK W」は世界14か国で店頭販売をしており、オンラインでは37か国で販売実績があるという。
そして松田氏は「在留の外国人の数は毎年増えており、5年間で32%増加し過去最高になった。一方、訪日外国人の数は2009年から4.6倍になっている。日本における翻訳機の需要は確実に高まっている」と述べ、さらに「世界の海外旅行者数は、毎年1億人くらいずつ伸びている。日本だけではなく世界各地で様々な言語を話す人々が行き交うようになっており、世界的にも翻訳機の需要は高まっている」と「POCKETALK W」のニーズが全世的にあることを強調した。
「POCKETALK W」の累計出荷台数は50万台を突破しているという。出荷台数が伸びた要因の1つに、松田氏はタレントの明石家さんまを起用したCMがヒットしたことを挙げた。国内販売台数のシェアについては「2019年1月~10月累計本数で94.9%、金額のシェアは95.9%」と松田氏は説明を加えた。
「POCKETALK W」は発売後、様々なアップデートを行っているという。主なものとして翻訳速度、繋がりやすさの改善、音声合成エンジンの改善、内蔵グローバルSIM対応エリアの拡大、音声出力言語にヒンドゥー語・マレー語を追加、システム言語にイタリア語とドイツ語を追加、などを松田氏は挙げる。
語学学習用途へのニーズ
ソースネクスト・松田氏は「POCKETALK W」について様々なお客様アンケートを取ったことを説明し、その結果についても公開した。
例えば「POCKETALK W」の購入の決め手は何か、という質問に対しては、「グローバルSIMで海外でも使える」ことと「翻訳精度」がトップの回答になっているという。
また、ポケトークの主要用途については「「海外旅行」と答えた方が60%、そして「語学学習に使っている」と答えた方が35%いた」ことを松田氏は説明した。
「英語を勉強している、この言葉は日本語で何というのだろう、という事を学習するのにポケトークは最適であることが分かった」(松田氏)
その他、ユーザーの要望としては翻訳速度を早くしてほしい、メニューや看板などの文字を翻訳したい、フィリピン語なども音声対応して欲しい、学習機能を付けて欲しい、といった意見があったことを松田氏は述べた。
そして上記のアンケートなどによって得たユーザーのニーズを、今回の「POCKETALK S」に盛り込んだという。
次ページは、「サイズは小さく、画面は大きくなった」
無料メルマガ会員に登録しませんか?
1986年千葉県生まれ。出版関連会社勤務の後、フリーランスのライターを経て「IoTNEWS」編集部所属。現在、デジタルをビジネスに取り込むことで生まれる価値について研究中。IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。