サイバー・セキュリティ企業のF-Secure(以下、エフセキュア)は、独自の検知および対応技術で現在使用されている分散型人工知能メカニズムをさらに推進するためのリサーチプロジェクト「Project Blackfin」が始動した。
同プロジェクトは、AIとサイバーセキュリティのリサーチャー、数学者、データサイエンティスト、マシンラーニングのエンジニアなどで構成されたチームによる群知能などの集合知技術を活用して、適応型の自律AIモデルを作成することを目的とした取り組みである。
加えて、個々のホストで実行されるこれらのインテリジェントエージェントを開発することである。 単一の集中型AIモデルから指示を受け取る代わりに、これらのエージェントは共通の目標を達成するための作業に十分なインテリジェントで強力なものになるとしている。
こうしたアプローチを採用することで、エージェントは、ローカルホストおよびネットワークから観察した内容に基づいてシステムを保護することを学習し、様々な組織や業界で学習した観察および緊急行動によって、さらに強化されることとなる。エージェントは、完全なデータセットの共有なしに、情報ネットワークの可視性と洞察のメリットを活用することができる。
同プロジェクトでは、自然界に見られる集団行動のパターンからインスピレーションを得て、アリのコロニーや魚の群れに似た群知能などの集団知能技術を使用して、分散した適応型マシンラーニングエージェントの集団を動かしていく。
これにより、リソースを削減することで企業/団体のIT資産のコストパフォーマンスの向上に寄与するだけでなく、機密性の高い情報のクラウドまたは製品テレメトリ経由での共有/漏洩を回避するうえでも役立つ。
なお、エフセキュアでは既にProject Blackfinを通じて開発されたODI(オンデバイスインテリジェンス)メカニズムを同社の侵害検知ソリューションに実装している。
無料メルマガ会員に登録しませんか?
IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。