日立、ドローン等による空撮映像から災害状況をAIで把握する映像解析の基礎技術を開発

日本をはじめとした多くの国や地域で、気象変動がもたらす洪水や土砂崩れなど、自然災害による人命や財産の被害拡大が社会問題となっている。災害発生時には、迅速な状況把握や、避難経路の誘導など、被害を減らす対策が求められている。世界的な要望に応えるため、空撮のための無人航空機(UAV)の導入が進められ、AIを活用した映像の自動解析が注目を集めている。

しかし、空撮映像から災害状況を解析する場合、災害によっては学習データ数が少なく認識精度に影響が出るという課題がある。また、広範囲を撮影した映像では特定したいものが非常に小さく映っていたり、さまざまなものや災害状況が同時に映っていたり(例えば「浸水家屋」「橋梁倒壊」「地滑り」が一つの画像に存在するなど)することがあり、そのような場合には起きている状況を正しく認識することが困難だった。

株式会社日立製作所(以下、日立)は、ドローンやヘリコプターによる空撮映像から災害状況を解析できるAI技術を開発した。開発した技術の長所は以下の4点である。

  1. 映像内に映るものが複数でも、それらのものを同時に精度良く認識する事ができる
  2. 広範囲を撮影した映像の中から、人が見つけにくい小さなものを見つける事ができる
  3. 学習サンプル数が少なくてAIに教えることが通常は困難な災害状況に対しても、精度良く認識する事ができる
  4. 見逃し・誤分類などの誤った情報を多く含む学習サンプルに対応したAI学習手法によって、人でも判断が難しい災害状況の誤認識や見逃しを減らす事ができる

同技術により、災害発生時、人がすぐにはたどり着けない現場の状況を迅速かつ容易に詳しく把握することが可能となる。

また、日立は大学共同利用機関法人情報・システム研究機構国立情報学研究所、国立研究開発法人情報通信研究機構と産学官連携で共に、アメリカ国立標準技術研究所が主催する映像解析のワークショップ「TRECVID」(TREC Video Retrieval Evaluation) 2020で、災害映像解析のタスクであるDSDI(Disaster Scene Description and Indexing)に参加し、同技術を用いて全17チーム参加の中で外部データを使用しないチームにおいてトップレベルの認識精度を達成したという。

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