株式会社NTTデータでは、人間とAIが共生する「より豊かで調和のとれた社会」の実現に貢献するため、2019年5月29日に「NTTデータグループAI指針」を策定した。2020年6月30日には、顧客が安心してAIシステムを利用できるよう「AI開発プロセス」を体系的に整理し、AI案件への適用を開始した。その後も「AI品質アセスメントサービス」の試行など、AIガバナンスに関する取り組みを拡大・継続している。
具体的には、社会デザイン・ソフトウェア工学/法務・倫理/レジリエンス・SDGsなどさまざまな分野の見識を持つ社外有識者からなる「AIアドバイザリーボード」を2021年4月19日より設置し、AI利活用に関する技術動向、法令・規制、市民社会の認識についてアドバイザリーボードメンバーとNTTデータのAIプロジェクトに関わる現場最前線のメンバーが議論をし、その結果をAIガバナンスの具体的な手段に取り入れていく。
AIアドバイザリーボードでは、「AIに関与するNTTデータ幹部層との意見交換」「AIに関与する実務層向けの勉強会」を実施する。特に、アドバイザリーボードメンバーである各分野の専門家で実務にも理解のある有識者と、NTTデータ実務層のメンバーが実際のプロジェクトにおけるユースケースを用いた議論をすることで、より有効性の高い対策まで落とし込むことが可能だとNTTデータは見込んでいる。
- AIに関与するNTTデータ幹部層との意見交換(1回/年)
- AIに関与する実務層向けの勉強会(4回/年)
2021年4月19日に第一回総会を開催し、NTTデータのAI指針やAIガバナンスの取り組み状況を有識者各位に紹介する。その後、活動内容を振り返り今後の対応を決める第二回総会を、1年後を目安に開催する。
有識者各位より、AI利活用に関する技術動向、法令・規制、市民社会の認識について意見を伺う場として、実務者向け勉強会を年4回程度開催する。
AIアドバイザリーボードでの議論結果は「AI開発プロセス」など、実際のプロジェクト現場で参照されるドキュメントや運用に取り入れ、AIガバナンスに関わるPDCAサイクルを着実に回すことで、安心・信頼できるAIソリューション提供のために役立てていく。
また、社会におけるAI利用環境を鑑み、AI開発プロジェクトの初期リスクチェック項目やリリース判定基準として活用することも視野に入れ、検討を進めるとしている。これにより、多様な観点で問題発生を抑制すると共に、提供するAIソリューションの品質/信頼性を向上し、お客さまが安心してAIを利活用できる環境を整備していく。
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