IDC Japan株式会社は、国内アナリティクス/AIプラットフォーム市場予測を発表した。
IDCでは、国内アナリティクス/AIプラットフォーム市場を「アナリティクス/ビジネスインテリジェンスソフトウェア市場」と「AIプラットフォーム市場」で構成される市場と定義している。
2020年の国内アナリティクス/AIプラットフォーム市場は、ベンダー売上額ベースで前年比成長率12.1%増、1,626億7,500万円になったとIDCでは推定している。2020年の同市場に対する新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響は阻害要因よりも促進要因が大きく、市場は堅調に成長した。
阻害要因としてはCOVID-19の影響での企業業績の低下によってIT投資の予算執行延期などがあったが、デジタルシフトした消費者/ビジネスバイヤーの購買分析への対応や企業業績の分析、業務の自動化要求の増加、高精度な分析/認知のためのAI活用の進行などが同市場の促進要因となった。
「国内アナリティクス/ビジネスインテリジェンスソフトウェア市場」は、2020年は堅調に成長し、前年比8.8%増、市場規模1,313億2,500万円になったとIDCでは推定している。同市場は、企業業績や市場状況/販売状況などの分析を行うビジネスインテリジェンス(BI)要求の拡大によって、全市場の50%以上を占めるエンドユーザークエリー/レポーティング/分析ツール市場が前年比9.6%増と好調であり、市場全体の成長を牽引した。
2021年以降の同市場は、BI市場の堅調な成長やAIを活用した予測分析市場の成長によって2021年~2025年の年間平均成長率(CAGR:Compound Annual Growth Rate)は7.1%、2025年の市場規模は1,846億7,600万円になると予測している。
国内AIプラットフォーム市場は、市場規模が313億5,000万円、前年比成長率は28.2%になったとIDCでは推定している。2020年同市場は、COVID-19により不確実性がより一層高まったビジネス環境でユーザー企業の危機意識が高まり、AIが企業の従業員の意思決定の自動化を支援するインサイトを提供するツールとして、AIの成熟度に応じた利用方法が増加したとみている。
また、AIが組み込まれたアプリケーションを独自に構築したり、AI機能(音声/画像認識など)をアプリケーションからAPI経由で呼び出したりする利用が進んだ結果、同市場の成長の要因となった。2021年以降の同市場は、企業変革を急務とするユーザー企業の重点的投資領域として継続的に成長し、2021年~2025年のCAGRは20.8%で推移し、2025年には804億8,100万円になるとIDCでは予測している。
IDC Japan ソフトウェア&セキュリティ/ITスペンディング グループディレクターの眞鍋敬氏は「データ量の増加とともにデータ分析はAIの活用が必須になっており、その際に重要になることは企業内のデータマネジメント方法の確立とAIベースのデータ分析の全社展開であるとIDCではみている。国内アナリティクス/AIプラットフォーム市場が今後も成長を継続するためにITサプライヤーは、ユーザー企業へのデータプラットフォーム構築支援、データ分析へのAI活用推進が重要である」と述べている。
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