近年、製造現場では「業務効率化」と「コスト削減」を目的とした、生産設備のオートメーション化や製造過程の品質検査スピードが重要視され、データ処理能力の高い産業用カメラ導入が検討されるようになってきた。特にエッジコンピューティングでの画像処理において、非常に短い時間で大量のデータを処理する要件が高まっている。
キヤノンITソリューションズ株式会社(以下、キヤノンITS)は、NVIDIA製Jetsonを搭載したドイツ Baumer Optronic(以下、Baumer)製、AIスマートカメラ(AXシリーズ)を販売開始した。
Baumer AXシリーズは、AIを実装するためのシステム設計を簡素化できるオールインワン製品である。Linuxの採用により、プログラミング言語を自由に選択でき、インライン検査や生産モニタリング、ライフサイエンスなどのさまざまな分野で、画像処理ライブラリやアプリケーションプログラミングインターフェース(API)の活用が可能だ。
また、AIコアとグラフィックプロセッサが実装されているNVIDIA Jetson NanoまたはXavier NXモジュールにより、AIベースのシステムを柔軟かつ自由にプログラムが可能となる。
画像転送は、カメラ内部に搭載している、3.2または5メガピクセルの解像度を持つCMOSセンサからJetsonへ直接行われるため、高画質と高感度、低ノイズで最大77フレーム/秒で高速プロセスでも画像の取り込みが可能となり、画像処理用のボードやチップなどを追加で用意する必要がない。
GenICam、M12イーサネット、RS232接続との互換性により、簡単で効率的な開発が可能となるほか、コンピューティングパワー全体を画像処理アルゴリズムで利用できるようにするため、自動露出や自動ホワイトバランスなどはFPGAベースの機能としてそれぞれのアプリケーションに自動提供される。また、4つの光分離電源出力と最大120W(最大48V/2.5A)の出力性能により、外部コントローラーなしで外部照明を直接制御でき、コストの節約に寄与する。
さらに、オプションのチューブシステムは、IP67保護等級までの過酷な環境下においても、カメラとレンズを保護する。加えて、1µsからの短い露光時間により、非常に速い動きを正確に検出することが可能とのこと。
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