レクサスを生産するトヨタ九州宮田工場では、出荷前に検査員が「音」を聞き分ける異音検査を行なっている。異音検査は官能検査であるため、個人の聴力に影響を受けやすい工程で、将来予想される検査員の高齢化による聴力の衰えや個人差などが課題だった。
そこで株式会社スカイディスクとトヨタ自動車九州株式会社は、トヨタ九州宮田工場の検査ラインに、AIを活用した異音検査システムを2021年8月から導入し、本稼働を開始した。
今回発表された異音検査システムには、スカイディスクが開発した音に特化したAI分析ソリューションが活用されている。これは、検査走行中の車内の音データを人の聴覚特性に基づいて分類し、抽出された約1万個以上の特徴量から異音を判定するAIモデルを作成するというソリューションだ。
そして今回、スカイディスクとトヨタ九州が、AI分析ソリューションをレクサス製造ラインに合わせて、対象の音に合わせた新たな車内異音用の集音マイク選定や、異音検査における音データをデータベース化するなどのカスタマイズをし、AI異音検査システムを共同開発した。

検査対象は完成したレクサスで、適応工程は最終検査の項目のひとつである、走行中に車内で異音がしないか最終確認する車内異音検査で活用される。
AI異音検査システムの開発・導入により、属人化解消、品質安定化のほか、検査作業者の耳の負担や、凹凸のある検査路面を運転する際の身体的負担も低減することができた。
今回得られた実績を基に、今後は他の検査工程への展開も検討していくという。
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