映像認識AIは、人の行動や周辺環境の認識に必要不可欠な技術として、多くの分野で実利用が進んでいる。AIビジネスは今後も拡大していくことが見込まれており、国内市場は2025年には2020年度比約2倍の1兆9,357億円になる予測だという。
また、今後、エネルギー・資源・気候変動をはじめとする世界規模での社会課題の解決や持続可能な社会の実現には、組織や専門性の壁を超えて多様な人たちがつながり、共に課題を考えアイデアを出し合っていく共創活動が重要となる。共創活動においては、開発した最新技術を迅速に共創パートナーと共有し、価値創出の議論を深めていくことが求められる。
株式会社東芝は、東芝グループの共創活動の拠点として2021年2月にオープンした共創センター「Creative Circuit」内に、東芝の映像認識AIを用いた機能を実装し、最新技術の体感を通じた共創パートナーとの新たな価値の創出に取り組む。その第一弾として、Creative Circuit内にカメラを設置し「密接検知」「不審行動の検知」「不自然な姿勢の検知」「個人認識」の4つの映像認識AI機能を実装した。
- 密接検知
- 不審行動の検知(ウロウロ、キョロキョロする人を検知)
- 不自然な姿勢の検知(倒れたり、うずくまったりする人を検知)
- 個人認識(マスクをしても個人を識別)
混雑する場所や密集度合い、会話をしている人の距離を可視化するために、物体検出技術によりセンシングした、人物の位置や各人物の身体の関節位置、人同士の距離と身体の向きから、密接状況を解析し提示する。
サポートが必要な人物を早急に発見するために、物体検出・追従技術によりセンシングした、人物の移動軌跡や各人物の身体の関節位置の動きから、ウロウロやキョロキョロといった困惑・不審な行動を検知し通知する。
救護が必要な人物を早急に発見するために、物体検出技術によりセンシングした、人物の位置や各人物の身体の関節位置から、不自然な姿勢の人物を検知し通知する。
登録した人物に特化した価値を提供するために、顔認識技術により、登録した1枚の顔写真を基に登録人物を特定する。
また、活用例として「コミュニケーション活性度モニタリング」を導入した。コミュニケーション活性度モニタリングでは、密接検知機能を活用してコミュニケーションの状況を可視化する。密接状態を検知すると同時にコミュニケーション活性度を算出・提示する。コロナ禍における新しい生活様式に合わせ、過剰な密状態の予防とコミュニケーションの活性化への貢献を両立し、共創活動の効率と効果の向上につながる。
東芝グループ内外の共創パートナーがAI技術を体感できることで、共創パートナーとのAI技術の新たな価値創出に取り組み、東芝のAI技術の早期の社会実装につながる。
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