近年、各企業がデータ活用に取り組む中、Excelなどで管理された構造化データだけではなく、社内外に存在する更に多くのデータやテキストデータなどの非構造データを活用した分析へのニーズが高まっている。一方で、分析のためのデータ準備には高度な専門性や膨大な工数が必要とされ、データ活用が進まない原因となっている。
日本電気株式会社(以下、NEC)は、顧客が保有するデータをAIで分析し、関連性が高い社内外の情報と組み合わせてデータを補完・拡張するサービス「NEC Data Enrichment」について、新たにSaaS型クラウドサービス「NEC Data Enrichment Portal」を提供開始した。
NEC Data Enrichmentは、顧客から預かったデータをNECのAI技術群「NEC the WISE」の1つである「データ意味理解技術」で分析し、データを補完・拡張して提供するサービスである。具体的には、テキストデータなどの非構造データから分析に適した構造化データへの変換や、データの意味を予測し関連性や類似性が高いとAIが判断した情報との統合を行う。これにより、専門家の知識やスキルを必要とすることなくデータの統合・正規化・標準化といった分析前のデータ準備工程を効率化し、データに基づく意思決定に貢献する。
同サービスにより補完・拡張されたデータを用いることで、顧客はより多面的なデータ分析を行うことが可能となり、保有データだけでは得られない新たな知見を導出したり、分析精度を向上したりすることができる。また、専門家が人手で行う場合と同等品質のデータ補完・拡張作業を、約1/10の時間で完了することができるとのこと。
今回提供を開始したNEC Data Enrichment Portalは、より多くの人材がデータを活用できる「データサイエンスの民主化」を実現するために、インターネット接続環境でウェブブラウザ上から簡単に利用できるSaaS型クラウドサービスである。顧客からデータを預かり、拡張データに加工して提供するNEC Data Enrichmentと比較し、GUI上の操作のみでデータの拡張・補完ができるので、データ分析に関する専門性を有しないビジネス部門の方も手軽に利用することができる。
SaaS版サービスの新機能として、テキストデータの補完・拡張機能を搭載した。あらかじめ分類タグを設定しておくと、たとえば営業日報などのテキストデータに対し、AIがタグとの関連性や類似性のスコアを出力し統合する。これによりテキストデータを定量データとして取り扱うことができ、これまで活用が難しかったテキストデータの分析への活用が容易になる。
今回の実証によって、番組内容、出演者などのテキストデータに含まれる特性をNEC Data Enrichment Portalで補完・拡張することで、消費者の関心や価値観を反映した更なる高精度な視聴率予測の実現を目指す。
なお、NEC Data Enrichment Portalの利用価格は月額50万円~(税別)である。
NECは今後、データ分析が積極的に活用されている発注業務や商品開発業務などを中心に幅広い顧客に新サービスを提案し、今後3年間の累計で5億円の売上を目指す。
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