エヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社(以下、NTTコムウェア)とCognite株式会社は、風力発電事業者向けに、複数拠点の異なるメーカの発電設備の発電量や収益状況、メンテナンス情報などを一元的に可視化する「統合分析ダッシュボード」を開発し、提供を開始した。
このサービスは、デジタルツイン空間上でAIモデル等によりデータ分析・活用を行うNTTコムウェアのインフラ設備DX基盤「Smart Data Fusion」の新メニューとして、「経営層(主に発電事業者)向け」「運用者(主にO&M事業者)向け」に提供される。
Smart Data Fusionの利用者は、追加費用なくWebアプリケーション上で利用可能となるサービスで、デジタルツインUI上で設備情報・点検記録・診断・措置結果を管理し、メンテナンスサイクルをサポートするプリセットAPのメニューより利用する。
「経営ダッシュボード」では、各地の発電設備データを収集・統合し、設備稼働率、収益予測や設備ごとの発電ロス比較など設備投資計画の策定や発電事業運営に必要なデータを、対計画・設備別に参照・分析することが可能だ。
これにより、風力発電ファーム全体の経営視点における運用状態を確認し、風車毎の発電量や収益性、効率などを一元的に把握することができる。
その他にも、雷や故障などによるダウンタイムの逸失利益や、AI分析による理想発電量や計画発電量との乖離を分析することで、設備投資や事業運営の計画立案に役立てることが可能だ。
また、鳥検知ダッシュボードも提供し、風車周辺を飛ぶ鳥をAIで検知して個体数カウント、動画アーカイブにより、バードストライク対策、環境アセスメントのための情報を収集することができる。
「運用ダッシュボード」では、設備が全国に点在していたり、異なるメーカの製品であっても、一元的に風速・発電量・アラームなどをリアルタイムに参照可能。
風力発電ファーム、風車についてSCADAから取得する操業データと、保守運用システム等の保全データを組み合わせて可視化、異常があればアラームで通知、故障部品状態を参照することができる。発電状況、IoTセンサ等の収集データからデジタルツイン上で異常検知を行い、アラームの発出をする。
また、各センサの過去データから予測値を算出し、その差分から異常を検知するといったことや、事業者が既に利用しているAI分析モデルなどの独自のモデルを組み込み、早期異常検知・予兆保全等への活用も可能だ。
今後は、ベアリングなどの主要部品の故障解析モデルや各種センサデータの相関チェックモデルなどの分析モデルを追加するとしている。
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