一般的に書籍製造における外観検査は、三方断裁機で化粧断ち後、検査員による目視などの官能検査で行われているが、検査員の熟練度による不良品の見逃し、属人化による検品精度のばらつきといった課題がある。
一方で、書籍は外観が一点一様であることや、数百~数千部程度の小ロット多品種が多数を占めるなど、AIの学習に重要な不良を含む大量の画像データ収集が困難であり、これまで検査工程におけるAIの採用には高い障壁があった。
そうした中、Morning Project Samurai株式会社(以下、MPS)は、図書印刷株式会社と芳野YMマシナリー株式会社の三社で、書籍の三方断裁(化粧断ち)後の断裁面の外観検査を行う、自己学習型AIを搭載した外観検査システムの共同開発し、実証実験を開始する。
実証実験は、2023年1月より図書印刷沼津工場の書籍製造工程にて、フェーズ1と2に分けて行われる。
フェーズ1では、三方断裁機から排出される書籍の断裁面を多面的に検出用カメラで撮影し、リアルタイムに不良個所をAIで検査する。

これにより、検査員に不良品を取り除くことを促すとともに、不良箇所を可視化することで、不良品排出前のダブルチェックを容易にする。
フェーズ2では、フェーズ1に加え、リアルタイムの不良品発見時の排出処理を自動で行える機構を備え、その有効性を検証する。
3社は実証実験を通じ、書籍製造工程における三方断裁後の外観検査時の自己学習型AIを搭載した外観検査システムの開発および、製本工程の現場への実装を目指すとしている。
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