現在、踏切での障害物を検知する方法として、踏切内の支障物を自動検知し、踏切道内における異常を列車の運転士へ伝える保安設備「踏切障害物検知装置」があるが、主に「自動車」を検知対象にしている。
そのため、これまでは人道踏切内に人が取り残された場合、その場に居合わせた他の人による非常ボタンの押下が、列車の運転士に異常を知らせる唯一の方法であった。
そこで、沖電気工業株式会社(以下、OKI)は、丸紅ネットワークソリューションズ株式会社と共同開発した、AI画像処理により踏切内の滞留を検知・監視する「踏切滞留AI検知システム」を、西武鉄道株式会社に納入し、2か所の踏切で2022年11月14日より本格運用を開始する。
「踏切滞留AI検知システム」は、骨格検知技術やAIエッジ技術などを活用し、踏切に設置したカメラの映像を、その場で高精度かつリアルタイムにAI画像処理する。これにより、踏切遮断桿降下後に踏切内に滞留する人や自動車を検知し、直ちに特殊信号発光機と連動して接近する列車の運転士へ異常を知らせることができる。
必要なデバイスは汎用カメラなどを使用するため、設置が容易かつ比較的安価に導入することが可能だ。
また、現地に設置された機器は、AI画像処理による滞留の検知から特殊信号発光機の連携までをインターネットなどを利用せずに独自の通信網で動作する。これにより、踏切での滞留が発生した場合、通信障害などの影響を受けることなく、運転士へ異常を知らせることができる。
さらに、「踏切滞留AI検知システム」のカメラにより、指令所などの遠隔地からも現場の状況を確認することができるため、事故の未然防止を支援する。
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