画像認識にはモデル作成が必要だが、人物やナンバープレートなど、学習に用いる画像によってはプライバシー侵害が問題となる恐れがある。
実際に、個人情報保護法、欧州GDPR(一般データ保護規則)、中国個人情報保護法の施行など、デジタル情報に対するプライバシー保護規制が国内外で強化されており、情報ガバナンスやコンプライアンス対応への動きも加速している。
画像認識では、画像にモザイクをかけて個人情報を保護した上でAI研究開発に活用しようという動きが活発化している一方、従来のモザイク加工では性別や年齢などの属性、視線や顔向きなど、AI解析に必要な情報を確保できないことが課題となっている。
そうした中、株式会社ユビキタスAIは、Brighter AI Technologies GmbH(以下、Brighter AI)の画像・映像匿名加工ソリューション「brighter Redact(ブライターリダクト)」を、2022年11月18日に提供開始したことを発表した。
brighter Redactは、静止画や動画から人の顔やナンバープレートを検出し、個人を特定されないように匿名加工するソフトウェアサービスだ。
brighter Redactに搭載された最先端のディープラーニング技術は、合成した顔やナンバープレートといったオブジェクトを自動検知し、オーバーレイ処理を行うことで、元データの情報を保持しながら個人情報を保護する。
例えば、顔を検出し、画像から取得した40,000以上のポイントに基づいて非可逆な人工オーバーレイを作成することで、個人を特定できないようにする手法だ。
これにより、顔・ナンバープレート部分にのみぼかし加工を施すため、個人は特定されずに、多くのAI画像処理で人物・ナンバープレートとして認識することが可能。
また、次世代匿名加工DNAT(Deep Natural Anonymization)により、顔向き・視線・年齢・性別・サングラス・マスクの有無など、基本情報は元画像のまま残るため、これらの情報を認識するAI画像解析にも利用することができる。
Brighter AIによるMicrosoft Azureの顔認識を使用した検証データでは、同一人物のマッチング率が16%まで下がるという結果が出ている。
利用ユースケースは、自動運転の開発にAIを用いる自動車メーカーやサプライヤーをはじめ、医療機関や公共施設などの分野が挙げられている。
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