近年、学校におけるIT化は、GIGA端末などインフラ面での整備は進みつつあるものの、これらはまだ配布されたばかりの状況であり、活用の仕方が模索されている。
一方、教育現場では学習指導内容が多岐にわたり、教員の負担は増加し続けているほか、児童への気持ちのケアや適切な声かけが難しくなるため、ICTの活用による児童に対するケアの充実や教員の負担軽減などへの期待が高まっている。
そうした中、NECネッツエスアイ株式会社は、東京学芸大学とともに、ICTを活用して児童が自らの心の状態を見える化し、異変が生じた時に教員が適切なタイミングで声を掛けることができるよう、人と人の対話をAIがつなぐ支援を目指した実証実験を進めてきた。
そして本日、NECネッツエスアイと岡山県津山市教育委員会は、津山市立東小学校(岡山県津山市)において、「GIGA端末内でAIチャットボットを活用した児童の心のケア」の実証を、2022年12月12日より開始したことを発表した。
今回の実証では、小学5・6 年生の児童と教員が、emol株式会社が開発したアプリを使用する。
児童は、朝と帰りの時間に自身の端末を使い、検温報告などの健康状態の入力と、今の自分の気持ちを記録する。自分の気持ちの記録は、選択肢の中から選ぶことでAIが言語化してくれ、帰りの時間にはAIとフォローアップの会話を行う。(トップ画)
教員側は、児童の入力状況を確認し、抜け漏れがある児童への入力を促す。また、児童の気持ちの変化などの兆候があった場合には、アプリから通知を受け取ることができる。
今後NECネッツエスアイは、実証の成果をもとに、2023年度中にサービスの実用化を目指すとしている。
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