ジオテクノロジーズ、車載カメラ映像から歩道の安全性を評価するAI技術を開発

登下校中の児童を巻き込む重大事故をきっかけに、学校・教育委員会・道路管理者・警察・自治体などによる通学路の点検が実施され整備が進んでいるが、通学路の危険個所がゼロになった訳ではない。そこで、先進運転支援システム(ADAS)や自動運転の開発・搭載を進めるカーメーカーでは、交通事故ゼロ社会を目指す取り組みが活発化している。

ジオテクノロジーズ株式会社は、AIクラウドプラットフォームを展開するH2O.ai,Inc.が提供する機械学習プラットフォーム「H2O AI Cloud」を採用し、車載カメラ映像から歩道の安全性を評価するAI技術を開発した。

同技術は、走行画像の左右に映るシーンから歩道の安全性を5段階で識別し、事前に危険個所を特定することで歩道の安全性を確認する。識別精度は97%だという。また、この識別結果と撮影時の位置情報から地図上に歩道の安全性をプロットした地図を作成することもできる。
ジオテクノロジーズ、車載カメラ映像から歩道の安全性を評価するAI技術を開発

ジオテクノロジーズ、車載カメラ映像から歩道の安全性を評価するAI技術を開発
都心の歩道の安全性評価マップを参照
同開発において、単語の意味だけではなく、複数の単語が連なった文脈の意味を理解する「コンテクスト理解」という大きな懸念があった。AIによる画像認識の目的は、歩行者の視点から見た安全性を評価することである。単にフェンスやガードレールを認識する処理とは異なり、歩行者保護を目的としたフェンスなのか、車両や人の落下防止を目的としたフェンスなのか、は周囲の状況を認識して識別する必要がある。

そこでジオテクノロジーズは、自社が保有する28億枚(280テラバイト)の大量の走行画像から様々なシチュエーションの教師データを作成し、学習させることで、正しくコンテクストを理解し歩道の安全性を識別出来るAIモデル開発を実現した。
ジオテクノロジーズ、車載カメラ映像から歩道の安全性を評価するAI技術を開発
さらに、H2O AI Cloudを採用したことにより、環境構築から学習・テストまで通常2~3週間かかる作業を約1日で完了させることができた。加えて、H2O AI Cloudの「グリッドサーチ機能」を用いて複数のAIモデルから最も精度が高いモデルを探索することで、従来技術で検証していた時の識別精度68%が、97%まで向上した。

同技術を活用することで、学校・保護者が通学路の安全性確認や危険個所を特定できるほか、自動車・ナビメーカーや物流ベンダーにおいては、歩行者の安全性を取り入れた経路探索や自動運転に寄与し、自治体や都道府県警では、ガードレール、規制など歩道の安全対策を踏まえた都市計画に貢献する。

ジオテクノロジーズは将来的に、人流データを活用して全国網羅的な歩道の安全性評価マップを作成する予定としている。

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