株式会社ビズリーチは、同社が運営する転職サイト「ビズリーチ」において、新機能として「GPTモデルのレジュメ自動作成機能」(以下、GPTツール)を開発した。
「GPTツール」は、ビズリーチに登録後、職種、ポジション、業務のミッション、業務領域質問に関する質問に回答することで、職務経歴書を作成することができるツールだ。
職務経歴書自動作成時に、ビズリーチ独自のロジックで構成した指示を、OpenAIが提供するGPTモデルに行っている。
キーワード入力の際も、ビズリーチ上に蓄積されたデータを基に、会員に合った入力内容が推薦される。
会員が推薦されたキーワードを選択あるいは入力することで、内容が整理された業務内容を作成できる点が特徴だ。
また、「GPTツール」の性能について、東京大学大学院経済学研究科教授兼東京大学マーケットデザインセンター(以下、UTMD)センター長の小島武仁氏と、UTMDチームとの共同研究により検証された。
共同研究では、ビズリーチのアプリ(iOS)において、会員にGPTツールの使用・不使用をランダムに割り当てるランダム化比較実験を実施し、スカウト受信数やその他の指標に与える影響を推定した。
その際、「GPTツール」を使用する群と使用しない群の属性の違いを統制するため、傾向スコアを用いた二重頑健(doubly robust)推定法による平均処置効果の推定や、操作変数法を用いた局所平均処置効果の推定などの統計処理を行った。
また、キャリアコンサルタントの国家資格、コーチング資格を有するビズリーチのキャリアコンシェルジュに対し、「GPTツール」を使用して作成された職務経歴書と、使用せずに作成された職務経歴書を、どちらかわからない状態でランダムに割り当て、「必要な項目が不足なく含まれているか」「文法上のミスが多いか」「候補者と面接をしたいと思うか」などの19項目について評価を依頼し、その結果に対して統計分析を行った。
なお、数値評価と同様、「GPTツール」使用群と非使用群の属性の違いを統制し、全ての会員がGPTツールを使用した場合の平均処置効果を推定した。
その結果、「GPTツール」を使用して職務経歴書を更新した会員と、使用せず更新した会員を比較したところ、「GPTツール」を使用して職務経歴書を更新した会員のほうが、平均で40%多くのスカウトを受け取る結果となった。
また、「GPTツール」の使用者と非使用者の属性の違いを考慮したとしても、GPTツールを使用している会員が平均で40%〜46%多くのスカウトを受け取ることが確認された。
有識者による評点検証においても、「GPTツール」を用いた職務経歴書は、ほぼ全ての項目で平均スコアよりも大幅に高い評価を受けたのだという。
特に「職務経歴書の構成に対する評価」や、「問題解決能力の高さに対する評価」が高まり、「GPTツール」を使用せずに職務経歴書を作成するよりも、質の高い文章表現になるとしている。
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