シスコシステムズ合同会社は、大規模言語モデル(LLM)を活用し、組織の人材の生産性向上と簡素化を支援する生成系AIテクノロジーを発表した。
生成系AIテクノロジーの一つ目は、シスコが提供する「Webex」に追加された新たな要約機能だ。(トップ画イメージ)
例えば、参加できなかったWebex会議やチャット、アクションアイテムやメンションについて、キャッチアップできる「Catch Me Up」機能が搭載された。ユーザがアクセスを許可されているデータセットをもとに、対話型プロンプトが回答を生成する。
また、会議のまとめをサマリーやアクションアイテムとして提供することができ、ユーザは、Webex会議の重要な要素を自動生成し、キーポイントを抽出することができるほか、アクションアイテムとその担当者を取り込むよう設定することができる。
さらに、ビデオメッセージングツール、Cisco Vidcastによる会議の要約機能も追加された。これは、動画のハイライトやチャプターを生成するもので、視聴者は動画の最も重要な部分に移動することができる。
加えて、Webex Contact Centerに会話要約機能が新たに搭載された。これにより、エージェントは顧客とのデジタルチャット履歴の長文テキストを自動的に消化し、通話後のまとめや問題解決が容易にできるようになる。
たとえば、ある顧客が人間のエージェントとの通話にエスカレーション(上長への報連相)された場合、その顧客はエージェントがすでに内容を把握し、説明を繰り返さなくてもよいと想定している。チャットサマリーは、問題の内容とセルフサービスを介してすでに提案された解決策の要約を明確にエージェントに提供し、通話後にはその要約をエージェントと顧客の双方に提供する。
セキュリティに関しては、シスコはポリシー管理の簡素化、脅威対策強化のための新たな生成系AI機能のプレビューを実施している。
具体的には、Cisco Security Cloudが生成系AIアシスタントを活用し、セキュリティやITの担当者が粒度の細かいセキュリティポリシーを策定し、セキュリティインフラストラクチャの様々な側面にベストな形で導入する方法を評価できるよう支援する。
プレビューでは、シスコのポリシーアシスタントが既存のファイアウォールのポリシーセットを考慮したうえで、Cisco Secure Firewall Management Center内にルールを導入し、簡素化できることを示した。
他にも、アナリストを支援すべく、シスコのSOC アシスタントを発表している。これは、適時に適切な判断を行うコンテキストにより、セキュリティ オペレーション センター(SOC)を支援する。
SOC アシスタントは、包括的な状況分析をアナリストに提供し、すべてのCisco Security Cloudプラットフォーム ソリューションで相関させ、潜在的な影響について伝達し、行動を提案する。
なお、SOCアシスタントは、2024年に投入され、WebexとSecurity Cloudの新機能は、2023年末までに提供を開始する予定だ。
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