オラクルは本日、同社が提供するクラウドベースのアプリケーション「Oracle Fusion Cloud Customer Experience(CX)」内に、ジェネレーティブAIを活用した機能の追加を発表した。
Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)のジェネレーティブAIサービスによってサポートされるこの新機能は、既存のOracle Fusion Serviceプロセスに組み込まれる。
OCI上に構築されてAIサービスを活用する「Oracle Cloud CX」に組み込まれたジェネレーティブAI機能は、顧客の企業データ、プライバシー、およびセキュリティを尊重するように設計されている。
OCIは、事前トレーニング済みモデルとカスタム・モデルの両方をホストしており、オラクルのジェネレーティブAIサービスでは、顧客データがLLMプロバイダーと共有されたり、他の顧客やその他の第三者に見られることはないとしている。
さらに、自分のデータでモデルをトレーニングしたカスタム・モデルを使用することができるのは、個々の顧客のみとなっており、「Oracle Fusion Service」ワークフローに直接組み込まれたロール・ベースのセキュリティにより、顧客に関する機密情報を保護し、サービス・エージェントが閲覧できるコンテンツのみを推奨することを支援する。
「Oracle Fusion Service」のこの新しいジェネレーティブAI機能は、すでに数千人のユーザが使用している既存の組み込みAI機能を強化するもので、単一の統合ソリューション内でプロセスを合理化し、コンテンツ生成を自動化する。
新たに搭載されるジェネレーティブAI機能の主な特長
Assisted Agent Responses(アシステッド・エージェント・レスポンス)
サービス・リクエストに対する応答の作成を支援することで、サービス・エージェントの生産性向上を支援する。新しいジェネレーティブAI機能は、サービス担当者との対話の履歴を使用して送信前に確認および編集可能な初期応答を作成する。
例えば、eコマース、金融サービス、電気通信、および公益事業で一般的な、大量かつ高速のサービス・シナリオでは、アシストされた作成機能により、応答を高速化し、品質を向上させることができる。
Assisted Knowledge Articles(アシステッド・ナレッジ情報)
新しいナレッジ・ベースのコンテンツを作成する時間を短縮することで、サービス・チームの生産性向上を支援する。新たなジェネレーティブAI機能は、サービス・エージェントが顧客の支援に必要な知識を迅速に習得できるよう、新たなサービス問題に対する記事の作成を支援する。
例えば、オーサリング支援は、複雑なハイテクや医療機器のシナリオにおいて、特定の問題に対する標準的な運用手順を迅速かつ正確にドキュメント化することに役立つ。
Search Augmentation(サーチ・オーグメンテーション)
サービス・エージェントとエンドユーザは、検索とチャットで質問に対する短い形式の回答を統合することにより、回答にアクセスできるようになる。新しいジェネレーティブAI機能は、検索バーの結果を補強し、「Oracle Digital Assistant」で質問に対する回答を作成する。
例えば、ジェネレーティブAIによる回答は、ナレッジ記事やその他のインデックス化されたリポジトリ・ドキュメントの中から、従業員が顧客の質問に対する最適な解決策を素早く見つけることを支援することができる。
Customer Engagement Summaries(カスタマー・エンゲージメント・サマリー)
サービス・リクエストの重要な情報の要約を生成することで、サービス・エージェントと管理者の生産性の向上を支援する。新たなジェネレーティブAI機能は、顧客や社内スタッフとのコミュニケーション履歴を組み込み、問題やこれまでの手順、次のアクションの詳細をまとめる。
例えば、マネージャーやスペシャリストは顧客の問題の本質を理解することができ、次に取るべき最善のアクションを決定することができる。
Assisted Guidance Authoring(アシステッド・ガイダンス・オーサリング)
製品およびサービスのエキスパートによる優先順位を作成したり、トラブル・シューティングのステップを通じたサービス・エージェントのガイドとなる質問の作成および更新を支援する。新たなジェネレーティブAI機能は、顧客の問題を解決しようとする際に、エージェントが従うべきプロセスを定義できるように支援する。
例えば、オーサリング支援は、製造業やハイテク企業のサービス管理者が、専門家のリソースにエスカレーションする前に、ティア1のサポート担当者が、顧客と共に作業しなければならない標準的な一連の手順を把握する上で役立てることができる。
Field Service Recommendations(フィールド・サービス・レコメンデーション)
現場での指導コンテンツへのアクセスを提供することで、フィールド・サービス・エンジニアの成果向上を支援する。新しいジェネレーティブAI機能は、信頼できるトラブル・シューティング資料から文脈に合ったコンテンツを提案し、エンジニアの効率を向上させる。
例えば、報告された症状に基づいて潜在的な原因や解決策をレポートすることで、AIによるレコメンデーションがトラブル・シューティング・プロセスを通じてフィールド・エンジニアをガイドすることで、現場訪問の必要性を減らすことができる。
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