株式会社playknotと株式会社スニフアウトは共同で、ChatGPTをはじめとする生成AIと、「Unreal Editor For Fortnite」(以下、UEFN)を用いたゲーム開発の実証実験を実施した。
今回の実証実験では、生成AIを用いてゲームのシナリオやキャラクター、背景などのコンテンツを自動生成し、「UEFN」でそれらを組み合わせてゲームを制作した。
生成AIは、フォートナイトの公式サイトやSNSなどのテキストや画像を学習し、フォートナイトの世界観に沿ったオリジナルのコンテンツを作り出すことができる。
「UEFN」は、生成AIが作成したコンテンツをインポートし、ゲームプレイや演出などを設定する。
今回の実証実験により、生成AIと「UEFN」の相乗効果で、従来の手法よりも効率的かつ創造的なゲーム開発が可能かどうかを検証する。
なお、実証実験で制作されたゲームは、フォートナイト内で公開され、プレイヤーはフォートナイトのクリエイティブモードからアクセスすることができる。
今後playknotとスニフアウトは、両社の技術とノウハウを活用し、XRおよびメタバース、生成AIなどの技術を組み合わせたソリューションを、プランニングから開発、導入、運用まで提供していくとしている。
開発チームは、「実証実験を通して、生成AIによるBGM生成やコンセプトメイクのクオリティの高さに驚かされた一方で、3Dモデルの生成に関してはまだまだ改善の余地があると感じました。ゲームプレイにおいては十分に実用可能であるものの、2Dの画像をもとに生成した3Dオブジェクトは解像度が低くなってしまうという課題がありました。
また、今回は生成AIで作成した背景やオブジェクトをUEFNで組み合わせる作業は人力で行いましたが、ChatGPTのVerse(UEFNでゲームを作成する際に使用する言語)への対応や、プログラミング支援ツールGitHub Copilotの活用などによって、UEFN開発におけるプログラム部分も今後生成AIでトライしたい領域です。」と述べている。
実証実験で作成されたゲームにについて

ゲームタイトル
「NeoCrossRun」(使用した生成AI:ChatGPT(GPT-4))
ゲームコンセプト
「NeoCrossRun」は、未来都市の雑踏を駆け抜けるハイパーカジュアルゲームだ。プレイヤーは、車、ドローン、そして予測不能な障害物を避けつつ、最高速度で道路を進む。ゲームは、スピード感と緊張感を増すために、電子音楽と未来的なビジュアルで強化される。(生成AIによって作成)
ゲームマップの特徴
「NeoCrossRun」の舞台は、ネオンで溢れ、巨大なビルが立ち並ぶ未来都市。都市は活気に満ち、多種多様な車やドローンが道路を行き交う。それらの移動パターンは一定ではなく、プレイヤーには絶えず状況を読み取り、瞬時に判断するスキルが求められる。
キャラクターは道路を進むほどにスピードが上がり、避けるべき障害物の数も増えていく。それぞれのセッションは独自であり、プレイヤーは自身の反射神経と集中力を試すことができる。(生成AIによって作成)
スカイボックスの生成

スカイボックスは、Fortnitのマップの外側に描かれている背景画像のこと。このスカイボックスは、ChatGPTによって作られたプロンプトから画像を生成するモデルによって生成された。(使用した生成AI:Skybox AI)
ゲームフィールドの生成

実際にユーザーが移動するゲームのフィールドは、コンセプトをもとにChatGPTで作られたプロンプトによって、画像生成AIとDepth(深度)推定AIを組み合わせて生成された。(使用した生成AI:Midjourney, ZoeDepth)
オブジェクトの生成

ゲーム内で障害物として登場する車やドローンは、ChatGPTによってコンセプトにフィットするように作られたプロンプトを用いて、3Dモデル生成AIによって生成された。(使用した生成AI:Midjourney,CSM)
BGMや効果音の生成
ゲーム内で使用されているBGMや効果音は、全てコンセプトをもとにChatGPTでプロンプトを作成し、音声生成AIによって生成された。(使用した生成AI:MusicGen)
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