株式会社オルツとデロイト トーマツ コンサルティング合同会社(以下、デロイト トーマツ)は、クライアントの課題を解決するための生成AIの利活用促進について共同取り組みを開始すると発表した。まずは国内の金融機関を対象に、「AIクローンを活用した社員の生成AIリテラシーの向上」「生成AIの実装に向けた企業ごとの個別LLM(大規模言語モデル)の開発」「生成AIを活用した新たな顧客体験の創造」の3つのテーマでソリューションの提供を共同で推進する。
AIクローンを活用した社員の生成AIリテラシーの向上では、デロイト トーマツの生成AIに対するナレッジをベースとした一般社員向けのコンテンツを開発するとともに、オルツの有する「altBRAIN」を活用し、社員が自らAIクローンを複製することで、その過程でLLMの中身を理解し、AIリテラシーを高める。座学による知識の習得やユースケースでの創発だけでなく、自分自身でLLMを活用してAIクローンを複製することが効果的であると考え、今回のソリューション提供に至った。
AIクローンは学習ツールに留まらず複製したクローンを継続的に学習させ活用することで、あたかも自分が二人いるような生産性を実現することも展望できるとした。
生成AIの実装に向けた企業ごとの個別LLMの開発では、デロイト トーマツが有するLLM運用指針およびセキュリティに関する知見や経営全般にわたる課題解決能力と、オルツのLLM開発ノウハウをベースにクライアントの課題解決を行う。まずは多くの秘匿性の高い情報を扱い、また規制上の要件や書類作成などの業務が多く生産性向上の余地が高いと考えらえる日本国内の金融業界を対象に、クライアントに最適かつ安心安全なLLM構築を共同で推進する。
個別LLMは、対話生成、質問回答、アイデア生成だけではなく、設計次第でユーザー別最適ソリューションの算出、各社特有の細かな業務対応などの高度なタスクにも利用可能だ。これらのタスクでは、単純にLLMを適用しても解決ができず、社内データを学習させつつ様々なカスタマイズ、チューニングを行うことで、最適な出力を実装する必要がある。
今回提供を考えている金融機関向けに、金融機関ごとに個別LLMを開発することで、情報流出のリスクを払拭しながら各機関固有の業務データを学習させ、個々のニーズに合う生成AI活用の推進、生産性の向上に結びつける。
そして生成AIを活用した新たな顧客体験の創造では、これまでデロイト トーマツが金融ビジネスで蓄積してきたコンプライアンスを満たすと同時に顧客体験設計のノウハウとオルツのLLM技術を融合することで、金融ビジネスの顧客体験の常識を覆す取り組みを推進するという。
無料メルマガ会員に登録しませんか?

IoTに関する様々な情報を取材し、皆様にお届けいたします。