世界全体での生成AIの市場規模は2030年までに約14兆円に拡大し、2022年から2030年の期間のCAGR(年平均成長率)は35%強と予測されている。市場の急成長に合わせて、生成AIサービスを提供する事業者が増加している。その一方で、企業側は費用面やセキュリティ面の懸念などが導入への課題となっており、まずは生成AIを短納期かつ低価格に導入し、有効性を検証したいというニーズがある。
株式会社日立システムズは、生成AIの導入を検討している企業などに向けた生成AIの有効性を検証するパッケージ「おてがる生成AIパック」の提供を開始した。なお、同パックはマルチクラウドソリューション「Gateway for Business Cloud」の新サービスとして提供するものである。
同パックは、マイクロソフトの「Azure OpenAI Service」を基盤に、生成AIに触れたことがない人でも直感的に利用できるようなシンプルなUIを実装したサービスである。業務効率化に向けて、生成AIを導入したい企業に対し、社内環境に存在するデータも参照可能な生成AIの有効性を検証する専用環境を短納期・低価格で構築する。
同パックには、標準チャット機能(GPTチャット機能、ボタン1つで入力された長文を要約する機能)や、最適な回答を得られた際のプロンプト(質問や指示)をテンプレートとして登録して再利用できる機能、ログイン時に安心な多要素認証機能が搭載されている。
同パックの基盤として提供される環境はマイクロソフトのMicrosoft Azure(東日本リージョン)内のサービスを利用しており、企業ごとに専用環境として提供される。そのため、企業はPoC環境として輸出管理を気にせず安心して利用できるとのこと。
パック化することで、注文から最短1カ月で生成AIを検証できる環境を提供し、100万円以下での導入を実現した。また、オプションとして、企業独自のUI設計やポリシーに合わせた環境構築を支援するPoC支援サービスが用意されている。
同パックにより、例えば複雑な資料や社内規定のサマリー化や、回収した顧客アンケートの傾向分析、自社セミナーの集客文書作成、過去の実績を踏まえたKPI策定のアイデア出しなどに活用できる。
日立システムズは今後、同パックの販売目標として3年間で200社への導入をめざしている。また、自治体向け生成AI、金融向け生成AIなど業種に特化したプロンプトテンプレートやWebUIモデルを提供し、ニーズに細やかに対応しながらサービス拡大を図るとした。
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