ソフトバンク株式会社は、AI開発に必須な教師データを作成するアノテーションサービス「TASUKI Annotation(タスキアノテーション)」のSaaS型アノテーションツールに、チャットUIでプロンプト(指示文)を入力してアノテーションを指示する機能を、2023年に追加した。
「TASUKI Annotation」は、AIモデルの開発に必要な教師データを加工するアノテーション代行サービスと、効率的なアノテーション作業を実現するSaaS型ツールを提供している。アノテーション代行サービスでは、専門の人材がデータ収集から前処理までアノテーション作業を代行する。
SaaS型ツールは、自社でデータを管理したい場合や、すでにアノテーション作業を行う人材を確保している企業が、自社で教師データを作成するためのツールだ。
各プロジェクトごとの管理ができる他、難しいアノテーション作業や、作業量が多すぎて自社のリソースだけでは対応できない場合は、ソフトバンクに作業を依頼することができる。
今回、SaaS型ツールの一部機能として提供を開始したプロンプト指示機能では、読み込んだ画像を見ながらプロンプトを入力できるインタフェースを採用し、これまで提供してきた作業ツールの操作性を損ねることなく利用できる。
例えば、サンプル画像に対して、チャットUI上で「泳いでいるペンギン」という文章を入力すると、画像内のペンギンに対して作業ツールが自動でアノテーションを行う。
輪郭をセグメンテーションする細部の正確さを問われるタスクの場合、一つのアノテーションでも負担の大きい作業となるが、プロンプトを実行することでポリゴンを作成し、作業を完了させることが可能だ。

なお、一部の顧客が、プロンプト指示機能を先行して利用した結果、1ヵ月で1万3700回の処理リクエストがあり、1データあたり平均40分の作業が2分まで短縮され、95%におよぶ工数削減につながったのだという。
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