株式会社島津製作所は、クロマトグラフで得られる波形の測定データである「クロマトグラム」および、直接イオン化質量分析計のデータに対応する統計解析ソフトウェア「eMSTAT(イーエムスタット)Solution ver.2.0」を、2024年6月25日に発売した。
同製品は、機械学習機能を備えた、クロマトグラム用統計解析ソフトウェアだ。機械学習により、グルーピング用の判別モデルを作成して未知成分を判別する。
また、液体クロマトグラフ(LC)やガスクロマトグラフ(GC)、MALDI(マトリックス支援レーザー脱離イオン化法)型の質量分析計(MS)で得た分析データを用いて「多変量解析」を行える。
搭載されているモードは、差異を可視化する「統計分析モード」と、機械学習で作成したモデルで未知成分を判別する「判別分析モード」の2つだ。
「統計分析モード」では、味や香りなどを特徴づける成分の探索が可能だ。サンプルをグループ分けできる「動的グルーピング機能」により、様々な評価軸でサンプル間の特徴の違いを可視化したり、成分量を比較したりできる。いずれも複雑なパラメータ設定は不要で、ほぼマウスクリックのみで操作できる。
「判別分析モード」では、既知のサンプルの分析データを用いて、機械学習による判別モデルが作成できる。モードを切り替えることで、「統計分析モード」で得られた分析データをそのまま「判別分析モード」で利用可能だ。
判別モデルに未知サンプルのデータを読み込むと、データごとに属するグループを判定でき、食品の種別・産地の判定や品質管理時の良否判定に有用だ。
また、他の島津製作所製ソフトウェアと併せて利用することも可能だ。例えば、LC-MS用ソフトウェア「LC/MS/MSメソッドパッケージ一次代謝物」でサンプル中の成分を測定した後に「eMSTAT」を用いることで、アミノ酸、有機酸といった食品中の主要成分の、含有量のサンプル間比較や、特徴的な成分の探索、未知試料の判別が行える。
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