Cerence Inc.(以下、セレンス)は、フォルクスワーゲングループが自動車向けに開発した、ChatGPTを統合した「Cerence Chat Pro」を、クラウドアップデートを通じて欧州向けの全車種に導入したと発表した。
「Cerence Chat Pro」は、ChatGPTを自社の車載アシスタントプラットフォームへの統合を可能にするソリューションだ。セレンスの大規模言語モデルを使用して、10,000以上の自由形式の質問と回答を処理することで、車載アシスタントとの対話が可能となる。
今回フォルクスワーゲンは、自社のIDA音声アシスタントに「Cerence Chat Pro」を統合する。Cerenceのハイブリッドアプローチを活用し、車両のヘッドユニットに組み込まれた車両コマンドと制御機能の両方から対話することが可能だ。
また、クラウドベースのコンテンツやリアルタイムのWebベースの情報へのアクセスすることもできる。
「Cerence Chat Pro」は、現在、フォルクスワーゲングループのブランドであるフォルクスワーゲン、クプラ、セアト、シュコダにおいて、アメリカ英語、イギリス英語、ドイツ語、スペイン語、チェコ語の5つの言語で利用可能だ。
これにはフォルクスワーゲンの新型電気自動車「ID.」シリーズ、改良型ゴルフ、新型ティグアン、新型パサートおよび既存モデルが含まれている。
フォルクスワーゲンブランドの技術開発担当取締役であるカイ・グリューニッツ氏は、「ChatGPTを音声アシスタントのバックエンドにシームレスに統合することで、ドライバーがAIを日常的に使用できる機会を提供することは、当社のイノベーションを明確に示すものだ」と述べている。
また、セレンスのCEOであるステファン・オルトマン氏も、「フォルクスワーゲングループと提携し、生成AIを活用した技術価値をドライバーに迅速に提供できることを誇りに思っている。今後も新機能を拡張し、IDA音声アシスタントにこれまで以上の知識と能力、価値を提供し、より安全で楽しいドライブを可能にする」とコメントしている。
「Cerence Chat Pro」を搭載したフォルクスワーゲンのモデルは、新機能追加および改良を含め、2024年後半から2025年初頭にかけて米国を含む世界市場で展開予定だ。
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