生成AIモデルの解釈可能性に対する要望が高まる中、Flowベース生成モデルが注目を集めている。
Flowベース生成モデルは、他の深層生成モデルとは異なり、入力データの分布と出力データの分布の間の複雑な関係性を一連の可逆的な変換で表すパラメータを学習する手法で、出力されたデータがどのような入力に基づくのかを解釈しやすいモデルとして知られている。
一方、「可逆性」を保ったアーキテクチャであることは、既存のモデルに対してタスク特有の知識(コンテキスト)を追加で学習させることが難しく、実応用における課題であった。
こうした中、パナソニック ホールディングス株式会社は、AIが予測や分類結果を導き出す仕組みやプロセスが明らかである度合い(以下、解釈可能性)の高い生成AIモデルを、コンテキスト情報(機器IDやユーザーIDなど)を扱えるよう発展させ、故障予測などのベンチマークで従来法を上回る性能を達成したと発表した。
そして、変換の可逆性を保ちながら、既存モデルにコンテキスト情報を追加学習させられる新たなFlowベース生成モデル「ContextFlow++」を開発した。
今回開発した「ContextFlow++」は、解釈可能性の高いFlowベース生成モデルを、コンテキスト情報(機器ID等)を扱える枠組みに発展させた技術であり、幅広いデータセットに対する性能向上を検証にて確認したのだという。
例えば、画像処理、異常検知、故障予測などの分野、なかでも文脈情報が重要な要素となるような、機器の特性や個々の設置条件に適応した高精度な故障予測などへの応用が期待されている。
なお、同技術は、AI・機械学習技術のカンファレンスである「UAI 2024」(The Conference on Uncertainty in Artificial Intelligence)に採択され、2024年7月15日から2024年7月19日までスペインバルセロナで開催される同会議で発表されるとのことだ。
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