株式会社日立製作所(以下、日立)は、工場や建設現場など職場での労働災害を未然に防ぐための安全管理業務において、生成AIを活用してリスクアセスメントを高度化するソリューションを新たに開発し、同社の「生成AIプロフェッショナルサービス powered by Lumada」の新メニューとして、2024年11月1日より提供を開始した。
同ソリューションは、職場での労働災害につながるリスクを評価するリスクアセスメントの品質を向上させるものだ。
日立グループの安全管理に関するナレッジに、生成AIの社内外での利活用を推進する「Generative AIセンター」のデータサイエンティストの知見・技術を掛け合わせて開発された。
利用方法は、安全業務の担当者が、リスクアセスメント結果を生成AIに入力し、記載内容の妥当性・正確性の判定を依頼する。
そして、生成AIがレビュー役として内容を確認し、評価結果として「OK/NG」の判定結果と、NGの場合その理由などのフィードバックを出力する。担当者は、生成AIの回答をもとに、自身のリスクアセスメント結果を見直すというものだ。
なお日立は、同ソリューションの開発に先駆けて、リスクアセスメントにかかる担当者間の評価精度のばらつきをなくして品質を高められることを確認する目的で社内実証を実施した。
具体的には、安全業務担当者が作成したリスクアセスメント結果について、同ソリューションのコアとなる技術を適用した生成AIが提示する改善案の精度を検証。安全基準ルールを把握したリスクアセスメント有識者による評価と比較した。
その結果、安全業務担当者が作成したリスクアセスメント結果に対し、約9割の精度で、適切でない記述を指摘した上で改善案を提示できることが確認された。
日立はこの実証結果を受け、社内で9月よりグループ7拠点で試行運用を開始し、今後、日立グループ全体での実用化を目指すとのことだ。
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