現行の熱供給プラントの運用では、空調用途のエネルギー消費割合が大きく、省エネルギーと脱炭素化の観点からの運用改善が求められている。
また、熱供給プラントの運用は、運転管理技術者の経験や勘に依存しており、加えて、運転管理技術者の人材不足や人件費高騰が、昨今の課題となっている。
こうした中、株式会社メンテルと福岡地所グループの株式会社サン・ライフは、福岡市博多区に所在する大型複合施設「キャナルシティ博多」において、AIを活用した熱供給プラント最適化予測運転システム開発のプロジェクトを開始した。
このプロジェクトでは、サン・ライフがキャナルシティ博多で行う、熱供給プラント運転における熱源システムの最適な運転計画をAIで立案する事を目指す。
具体的には、キャナルシティ博多の熱源プラントの運転実績をデータ分析し、気象条件に応じて将来の熱需要を予測する。
そして、この予測結果を元に最適な熱源システムの運転計画を策定するモデルを構築し、AIが毎日の需要予測値と運転計画を可視化・表示する。
最終的には、最適化予測運転システムと既存の熱源集中監視システムを連携させ、制御の自動化を目指すとのことだ。
プロジェクトは3つのフェイズにわかれており、まずフェイズ1では、過去5年分の運転データ及び気象データを解析し、熱負荷予測とエネルギー消費予測の2種類のモデルを構築する。また、そのモデルを用いて最適な運転計画を立案するアルゴリズムを構築する。
そしてフェイズ2では、フェイズ1で構築したモデルを用いて、リアルタイム気象情報を取得し、AIで熱負荷予測と最適な熱源プラント運転計画を自動で策定する最適化予測運転システムの開発と運用を開始する。
最後のフェイズ3では、フェイズ2で実装した最適化予測運転システムと既存の熱源集中管理システムを連携し、予測した運転計画の自動化を推進する。
今後、サン・ライフとメンテルは、上記取り組みの推進とあわせ、専門知識と技術を共有することで、将来的な他分野における協業へと視野を広げていくとしている。
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