Azure IoT , Cognitive Services で何が実現できるのか?

日本マイクロソフトの内藤氏からはAzureサービスのIoT編とCognitive Services編としてサービスアップデートとその事例について紹介された。
事例は、ヨーロッパのティッセンクルップ・エレベータ社のエレベーター保守についてだ。エレベータのメンテナンスは実際の稼働の内容、状況により期間が変わるため、つねに稼働をモニタリングされその時期を推奨されメンテナンス効率をよくすることができるようになっている。
最近ではそこにMicrosoft HoloLensを使って次世代の保守を行っている。Hololensには実際のモニタリング情報や作業内容が現実世界に重なり表示され作業者は安全にミスなく保守作業を行えるようになっているのだ。
スポーツマンの夢を実現するスタートアップ「スプライザ」

SPLYZA社はMicrosoft Innovation Award2015で優秀賞を受賞した企業である。個人向けの動画を撮影すると残像動画が自動的に生成され、ゴルフや野球などのスイングなどを確認するできるアプリをリリースしている。
その後“個人”から“チーム”へということで、アマチュアのスポーツマンの「もっと上手くなりたい」を叶えることをポリシーに、サッカーやラグビーなどのチームスポーツ特化型のクローズドSNSをリリースした。
試合動画を撮影しその動画を分析をするのだが、主に戦術スポーツのための編集機能だけにフォーカスしており、見たい地点へ素早く再生するタイムタグを入れたり、指定したカットに図形や字幕などの注釈を書き込めたりすることができる。
これはコーチが分析するのではなく、選手全員が試合後に行うことで、一人だと5~6時間かかるものを15分ほどで行える。この分析した結果、タグをつけた結果をもとにコーチ、選手がスマホ等でコミュニケーションをしながら戦術の見直し等を行っている。いくつかのチームではチームミーティングには欠かせないツールとなっているとのことだ。
設備保全におけるディープラーニングの活用

庄司氏からは設備保全におけるディープラーニング活用ということで、冒頭送電線の不具合をDeep Learningを使って自動検知を行うデモの紹介があった。
https://youtu.be/YE07PzWECuM
動画の左側に表示されているのがヘリコプターのカメラから送電線を撮影した動画で、右側が学習したDeep Learningを使って送電線の不具合を自動で検知し、不具合を強いと判断した場合は赤く表示するようになっている。通常この業務は動画をひとコマずつ人間が目視して検査をしているのだが、AIを活用することで業務が圧倒的に効率化される事例だ。
「設備保全における機械学習(AI)の活用は比較的親和性が高い」と庄司氏は言う。
「現場へのAIの受容度という観点では、製造プロセスにおける不良品抑制の制御など、人が経験・知力を尽くしておこなっていることをAIが実行することは、AIが何を考えているのか十分に理解してもらうことが必要なため、なかなか現場に受け入れられにくい。
一方、異音検知・画像診断など、人が五感(視覚・聴覚など)で判断できるような事象をAIが実行する場合、AIが何考えてるかわからないブラックボックス状態でも、過去データに対して実績を示せれば現場には浸透させやすい。」
また、スモールスタートで始めやすいというのも大きな特徴だという。
実際、Azureを活用すると月数万円でセンサーデータ収集が可能となり、まずは検知するAI、それから診断するAI、さらにうまくいけば自動制御というようにデータの蓄積とともにステップバイステップでAIを高度化させらるようなアプローチが非常に有効だ。
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1975年生まれ。株式会社アールジーン 取締役 / チーフコンサルタント。おサイフケータイの登場より数々のおサイフケータイのサービスの立ち上げに携わる。2005年に株式会社アールジーンを創業後は、AIを活用した医療関連サービス、BtoBtoC向け人工知能エンジン事業、事業会社のDXに関する事業立ち上げ支援やアドバイス、既存事業の業務プロセスを可視化、DXを支援するコンサルテーションを行っている。