IoT時代、PTCが描くデジタルツインのあるべき姿

IoT・ARを活用した”スマート工場”のデモ展示とThingWorx新機能

続いて、PTCジャパン株式会社 製品技術事業部 IoT/Manufacturing技術本部 プリンシパル・プリセールス・テクニカル・スペシャリスト 西啓氏が登壇し、LiveWorx18で発表されたIoT/AR関連のトピックを紹介した。

まず西氏は、「X-FACTORY」と銘打って行われた、スマート工場のデモ展示について紹介した。このデモ展示では、来場者が大きなブースの中にある組み立てラインを使って、実際に製品(PTCオリジナルのデモ用IoTデバイス)をつくる体験ができたという。

組み立てにおいては、体験者はロボットを活用。その際には、IoTプラットフォームThingWorxを使って、各工程の作業指示を表示したり、ロボットアームや工具の制御を行った。

また、西氏が今回注目したのは、人間が手作業で製品の組み立てを行う際のARの活用だという(下図)。「ARと言えばスマートグラスやタブレットを思い浮かべるのが一般的だが、スマートグラスはいまだ高価であり、タブレットは持っていると作業ができないという問題がある」と西氏は指摘。

IoT時代、PTCが描くデジタルツインのあるべき姿
LiveWorx18で行われたスマート工場のデモ展示「X-FACTORY」のARを活用した組み立て工程。組み立てを行う作業台を上からカメラで撮影し、その様子を頭上にあるディスプレイでAR表示することで、来場者は作業を行う。(提供:PTCジャパン)

そこで、同展示では、組み立てを行う作業台を上からカメラで撮影し、その様子を頭上にあるディスプレイでAR表示することで、作業を行うことができた。これで簡便に作業ミスを減らせることから、来場者から高評価だったという。

出来上がった製品は、動作確認を行ったのち、問題がなければ来場者は持ち帰ることができた。なお、部品や製品の搬送には、自動搬送車やモバイルロボットによる搬送のデモも行われた(下の画像)。

また、西氏はThingWorxの新機能にも言及。まだ開発中とのことだが、「ThingWorx Orchestration」(仮称)という機能が本年12月をめどにリリースされる。これはThingWorxやPLM、CRM、ERPなどの各システムを連携するためのツールで、それにより、たとえば機器のフィルターを交換する際、その動作フローをGUIで簡単に作成できるという。

IoT時代、PTCが描くデジタルツインのあるべき姿
LiveWorx18で行われたスマート工場のデモ展示「X-FACTORY」で、ロボットによる自動搬送が行われている様子など。(提供:PTCジャパン)

冒頭でも述べたが、ARソリューションにおいては、「ThingWorx Studio」から「Vuforia Studio」にブランドが刷新される。

それに伴い追加された新機能「Vuforia Chalk」がLiveWorx18で発表された。Vuforia Chalkは、紙の「作業書」を代替するソリューションで、エキスパートがARを用いてリモートで現場担当者に指示が出せる。

現場担当者は、眼の前にある設備の前にスマートフォンを翳せば、カメラを通してその様子を画面に写し、かつリモートでエキスパートと共有できる。

特徴は、黒板にチョーク(Chalk)で文字を書くように、スマホ画面に表示されたスイッチなどに印をつけられることだ。対象物とカメラの距離も認識するため、担当者がカメラを動かしても、その印は固定されるという。

「5分で習得できる」ことも特徴だと、西氏はVuforia Chalkのメリットを紹介した。現在はβ版として特定の企業に提供している段階だという(詳細は関連リンクを参照)。

【関連リンク】
ピーティーシー(PTC)
アンシス(ANSYS)
Vuforia Chalk

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