スマートドライブが17億円の資金調達、コネクテッドカーの新領域を切り拓く —代表取締役 北川烈氏インタビュー

「SmartDrive Lab」とは?

小泉: 「SmartDrive Lab」について教えてください。

北川: この5年間で、AIやブロックチェーンなどの技術領域も広げてきました。今後はそうした技術テーマに対し、さらにリソースを割いていこうと考えているのですが、その拠点になるのがSmartDrive Labです。

その皮切りとして、6月に、深センにオフィスをつくりました。現地のスタートアップと技術提携したり、その技術を東南アジアなどに販売したりしていくためです。

技術領域をいくつか紹介すると、AIにおいては、事故リスク分析です。数日間の走行データを解析すると、将来事故を起こすドライバーか否かを、AIが高い精度で判定する技術を開発しております。

センサーは、(従来のシガーソケットだけでなく)カメラとも連携していきます。ドライブレコーダーのカメラの画像データを解析することで、ドライバーが急ブレーキをした原因などを分析できます。

カメラ本体は他社の製品ですが、クラウド上でデータ連携を行い、当社が解析をします。また、タイヤの空気圧計とも連携しており、温度センサーもこれから始めます。このように、私たちのプラットフォームで解析できる幅がひろがってきているのです。

また、クルマのビッグデータを使ってダイナミックマップをつくり、渋滞の予測を行うアプリケーションも、経産省のプロジェクトに採択されています(経産省「産業データ共有促進事業費補助金」)。

こうした技術は学会でも発表していきます。私たちは閉じて事業をするつもりはなく、開発した技術はみんなに使ってもらってブラッシュアップしていけばいいと思っています。

スマートドライブが17億円の資金調達、コネクテッドカーの新領域を切り拓く —代表取締役 北川烈氏インタビュー
データの二次利用による交通渋滞予想(提供:株式会社スマートドライブ)

小泉: オープンマインドは大切ですね。さきほどロジスティクスの話がありましたが、ロジのソリューションというのは、自社のコスト削減の話などが多く、社会全体の話になることは少ないように思います。

たとえばトラックが道路を走りながらデータを集めていくと、「この道路を舗装すればもっと早く荷物を届けられる」ということがわかります。でも、その情報を国交省が上げてくれと言っても「何でそんなことをする必要があるの?」となってしまいがちです。

でも御社の場合はそこの立ち位置が違いますから、「データはどんどん上げていこうよ」という話ができるわけですね。

北川: 「囲い込む」という発想が弊社の中にはありません。オープンソースにした結果、どこかに持っていかれてしまうような技術であれば、そもそもうちがだめだったねということになるので。みんなでブラッシュアップしていいものができれば、それでいいのではないかと思います。

次ページ:設立から5年、「構想がようやく現実になってきた」

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