ネットと繋がる未来の自動車、その活用分野

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セキュリティから始まる。そして、つなぐ

 電化(Electrification)、連結性(Connectivity)、自律走行(Autonomous)、プラットフォームplatform)化による様々な変化を探ってみた。電化、自律走行、プラットフォーム化においても外部通信が基本道具で使用されるため、連結性は、これらの変化のスタート時点とも言える。

ネットと繋がる未来の自動車、その活用分野

 

 自動車が外部と連結されるV2V、V2I、V2P、V2D、V2H、V2G、V2Nなどの様々な通信モデルにおいてセキュリティは、必ず先決されなければならない課題として確認されている。セキュリティが保障されていない状態で連結のみ行うことは危険であることに疑う余地もないだろう。セキュリティ対策を立てた後に連結をするのが意味があるため「セキュリティから始まる。そして、つなぐ(Secure First、Then Connect)」の戦略が核心戦略にならなければならない。

 電化の分野でも電気自動車が充電器を介した決済会社を含む様々な二次アクターとの連結に、必ずセキュリティが必要になる。連結性にて定義するV2G通信モデルがこれに当たる。

 オンラインサービス・フラットフォームではサービスが中心に位置され、自動車、モノのインターネット、モバイル端末、そして様々な主体がサービスに連結されるプラットフォーム化でも、個体間の認証や暗号化などの基本的なセキュリティツールは、必須要素になる。

 自律走行自動車の場合は、外部通信が自動車の運行に直接影響を及ぼすため、安全問題に直結する。
これは、外部から流入されるデータに対しては認証と暗号化が必ず必要という意味である。外部通信が使用されなくてもセキュリティは必要である。車内の認可されていないまたは誤作動を起こす制御機器の部品は、車両の正常動作を阻害する要因になる。車両の内部ネットワークに、マルウェアなど悪意のあるパケットの差し込みを試す外部通信攻撃に対しても、車両内部ネットワークの強健性維持は、最も重量な課題である。車両環境に最適化されたファイアウォールや侵入検知技術などがこれに当たる。

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 自動車に適用されるセキュリティ技術は、大きく4つに分けられる。

 1つ目は、車両と車両外部の個体間の安全な通信確立のためのセキュリティ技術である。連結性確保のために必要なセキュリティがここに当たる。
 2つ目は、車両のゲートウェイから車両に流入されるトラフィックに対し、有害性を検査する侵入検知、通信経路をコントロールするファイアウォール、車両内部のデータを外部に転送し、公有するためのデータ保護と個人情報保護の技術である。これらの技術は、車両の外部ネットワークと内部ネットワークの境界で車両の戦い場を保護する。

 3つ目は、車両の内部ネットワークの通信に対するセキュリティ技術である。車両の内部には、100個を超える電子制御装置(ECU:Electronic Control Unit)が存在し、これらがお互いに連結されてプライベートネットワークが構成されると理解すれば良い。車両の内部ネットワークにおいて電子制御装置間の安全な通信確立に必要な認証や暗号化のようなセキュリティ技術がここに当たる。
 4つ目は、それぞれの電子制御装置を安全に守るセキュリティ技術である。完全に起動されたかとうかが確認できるセキュアブート(Secure Boot)、第三者が電子制御装置の完全性を検証できるリモート検証(Remote Attestation)、電子制御装置のファームウェアやソフトウェアの更新のためのセキュア更新(Secure Update)などがここに当たる。これらの技術が電子制御装置内でより安全に適用されるようにするには、ハッキングや改ざんから安全だとみられるハードウェアトラストアンカー(HTA;Hardware Trust Anchor)を採用すれば良い。

 自動車の外部通信のうち、V2V、 V2I、V2G などの通信モデルに適用されるセキュリティ技術は、既に標準化が進められている。しかし、それ以外の技術に対しては、標準が存在していない。自動車メーカー、部品サプライヤー、セキュリティソリューションベンダーなどが協力して安全な自動車を設計し、開発いていくしかない。

 今まで自動車分野における5つの変化について探ってみた。これらの変化に対する理解を深めるためには、私たちが普段使っているスマートフォンを改めて注意深くみてほしい。自動車の将来はスマートカーであり、スマートカーは私たちが持つもう一つのスマート機器になるためである。

 スマートカーへの進化には、相当な時間が必要になり、その過程の中で命の安全を保障しながら利便性と有用性を共に得るためには、自動車関連企業だけではなく、政府機関から一般利用者に至るまで多くの人の協力と努力が必要である。

 

  • 第1回目: コネクテッドカーに求められる要素とは?
  • 第2回目: 自律走行車やコネクテッドカー時代に向け必要なもの
  • 第3回目: ネットと繋がる未来の自動車、その活用分野(この記事です)