【事例紹介】DMPを使ってコンバージョン率が12.5倍に
小泉: LINEなどのSNSで広告発信を行うサービスもリリースされましたね。
凸版印刷 森谷尚平氏(以下、森谷): はい。ATA(※)という、弊社のDMPを通してSNSなどで広告を配信するサービスです。私たちのDMPを介して広告を出す企業のメリットは、生活者の「買い物行動圏」やさきほどの「興味フラグ」などのデータにもとづいてターゲットをセグメントできることです。
※正式名称:「Shufoo! Audience Targeting Ad(シュフー・オーディエンス・ターゲティング・アド)」
小泉: その広告配信サービスは、御社が一気通貫でやられるんですか。
森谷: 配信したい広告のフォーマットさえいただければ、配信ターゲットのセグメントと広告配信まで弊社で行います。ただ、来店を可視化する際は(株式会社)フリークアウトさんが提供する「ASE(エース)」と連携します。

小泉: 来店検知は、スマートフォンのGPSから取得した位置情報を使うのですね。
森谷: ええ。主婦の方は、基本的には日常的に行くお店のチラシしか見ません。なので、およそどのあたりのエリアで買い物をしているのかが、「Shufoo!」のデータを分析するとわかってきます。
そうすると、私たちのDMPのデータと来店時のGPSの位置情報を組み合わせれば、それはただの位置情報ではなく、主婦の方が「日常的に歩き回っている時の位置情報」というコンテキストを含む位置情報になるので、価値がぐっと上がります。たとえば、旅行に行った時の位置情報と日常生活における位置情報、あるいはちょっとぜいたくをしようとした時の位置情報は、それぞれデータの意味がまったく違うわけです。
小泉: なるほど。

森谷: 例を一つご紹介します。主婦の方に対し、お子さんのスイミングスクールの体験レッスンをすすめる広告の例です。お子さんのスイミングスクールとなると、主婦の方が日常的にすぐ行ける距離でなければ通うのは難しいはずです。そこで、主婦の方の行動圏でセグメントした場合と、都道府県でセグメントした場合で広告の成果を比較したところ、行動圏で分けた場合の方が12.5倍も申し込みのコンバージョンが高かったのです。
小泉: 12.5倍はかなり高いですね。
森谷: 高いと思います。他にも、サントリー(酒類株式会社)さんでは、広告を見た方の8.3%が(タイアップ先のチェーン店に)来店したという効果が得られています。
小泉: それもかなり高いですよね。
亀卦川: 普通にセグメントした場合の3~4倍は高いと思います。「クックパッド」の事例も興味深いですよ。クックパッドでその日の晩の献立を考えている主婦の方に対して、食材の広告が打てるのです。
小泉: それは面白い。クックパッドを見ながら晩御飯は揚げ物にしようかなと思っている時に、ちょうどタイミングよく油の広告が出てくるというようなことですね。
亀卦川: そうです。しかも、「〇〇の××店」というように、近所のお店のレベルまで絞り込めます。
小泉: それはユーザーからすると、とてもありがたいことです。
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技術・科学系ライター。修士(応用化学)。石油メーカー勤務を経て、2017年よりライターとして活動。科学雑誌などにも寄稿している。